買取金額は数万円から100万円以上と様々です。誰が見ても良いなと思える作品であれば100万円以上も期待できますが、下絵のような作品であると10万円を下回る可能性もございます。他にはサイズ、コンディション等により影響されるため、ご売却をご検討の際はお気軽にご相談ください。
福田平八郎作品の評価ポイント
福田平八郎は自らの作品を「写実を基本にした装飾画」と評しています。その言葉の通り、平八郎の作品の魅力は、モチーフを簡略化しながらもその本質を正確に抽出した近代的な造形感覚にあります。日常的な自然の断片を主題とし、それを研ぎ澄まされた感覚で装飾的に描写する手法は、今なお新鮮な驚きを見る人に与えます。
1958年の第9回日展に出品して大きな話題となった「雨」は、規則的に並ぶ屋根瓦を大胆に切り取り、雨滴が瓦にシミをつくる情景が描かれています。幾何学的な線と形に単純化しながらも、瓦のずっしりとした質感が見事に捉えられており、雨が瓦に落ちる音が聞こえるようなリアルさも併せ持つ本作は、図録の表紙に採用されるなど高い注目を集めました。現代でも十分に通用する平八郎のデザイン性は、今日でも見る人を魅了し続けています。平八郎の作品には、漣や雨のように水に関連するものが多く、水中に遊ぶ鯉や鮎なども人気のモチーフですが、「芥子花」や「筍」、「花菖蒲」といった花や植物を描いた作例も多く残しています。断片的に捉えた芥子、反復された筍の描写にも、写実と装飾を融合する平八郎の優れたデザイン感覚が発揮されており、日本画に新風を吹き込んだ作風として変わらぬ評価を得ています。