東山魁夷の版画・水彩・日本画の
買取価格とポイント
1908年~1999年 物故作家。
神奈川県生まれ。東京藝術大学を卒業して研究科に進み、その後ドイツに留学する。留学後は太平洋戦争で応召し熊本で終戦を迎える。戦後の1947年、第3回日展で《残照》が特選に選ばれ、政府買い上げとなる。1950年から日展審査員となり、同年にまっすぐ伸びた道を描いた代表作《道》を発表する。その後、数々の賞を受賞する。
代表作は<道><残照><白馬の森><緑響く>などがある。
2024年6月現在、長野県立美術館で東山魁夷館コレクション展2024、東山魁夷せとうち美術館で「自然は心の鏡ー魁夷が描いた心の風景」が開催中。
東山魁夷の最新買取情報
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湖澄む(新復刻版画)
20
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山峡雨晴(リトグラフ)
16
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霧の山峡(リトグラフ)
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早春の丘(リトグラフ)
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2023年最新の買取ポイント
東山魁夷(ヒガシヤマカイイ)の版画や日本画の作風について
東山魁夷は<風景>を題材にした絵画作品を数多く残しました。
説明不要だと思いますが、近代日本画壇の巨匠で美術品に興味がない人でも名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。人物画や静物画は殆ど描かず国内外の風景画を描き続けました。東山魁夷の風景画は日本画の一つの終着点であり完成形といえます。全国各地の美術館や百貨店の催事で鑑賞できますので、実物を見てほしい作家のひとりです。
作品の種類(技法)によって買取値段は変わる?
作品の技法により評価が変わります。購入する時の価格も技法や図柄によって金額が決定されるように、買取価格も似たような評価になります。人気作家の宿命ですが、様々な技法で制作された作品があるため、評価方法が少し複雑です。順に説明させていただきます。
① 日本画
岩絵の具を使い描かれた作品です。作品の構図・サイズ・来歴・コンディションなど様々な視点から評価します。一級品は美術館に所蔵されている事が多い印象です。しかしながら、東山魁夷の日本画は評価が高いのは確かです。
原画作品は<東美鑑定評価機構鑑定委員会>の鑑定書が必要になります。
② 水彩
紙に水彩・デッサンで描かれた作品です。日本画に比べると描き込みが弱く、下絵のような扱いになります。中には日本画のようにしっかり描いてある水彩作品もありますので買取価格は図柄次第です。
③ 版画(オリジナル)
東山魁夷の作品で最も流通量が多いジャンルでしょう。リトグラフや木版などの技法により制作されていますが、東山魁夷の版画作品は大きく分けて2種類あります。
生前作られた【オリジナル作品】と、没後作られた【新復刻作品】です。まずはオリジナル作品を紹介します。
オリジナル作品は画集でまとめられており、限定部数・作品サイズ・鉛筆サイン若しくは印譜サイン・発行元などが詳細に記されています。買取に際は画集と照らし合わせて作品のチェックをさせていただきます。
東山魁夷は非常に人気が高い作家のため、生前(オリジナル)と没後(新復刻)で図柄(作品)が重複することがありますが、新復刻版画よりオリジナルの方が評価は高い傾向です。
買取価格はピンキリですが、数万円~200万円以上とかなりの幅があります。作品によって全く異なりますが、ある程度購入価格と比例する事が多い印象です。一部の人気版画は当時の販売価格よりも高い金額で買取できるケースもあり、資産性が高い作家と言えます。
④ 版画(新復刻)
新復刻とは東山魁夷没後に東山すみの監修のもと制作された作品です。オリジナル版画に比べると買取価格は安くなる傾向ですが、人気図柄だと一部のオリジナル作品より高いケースもあります。代表的な人気作品は『白馬の森』や『道』でしょう。
新復刻版画は画集には掲載されておらず、買取金額は図柄によります。お気軽にご相談ください。
新復刻版画の特徴は下記の3つになりますので、ポイントさえ押さえればオリジナル版画と判別できるのではないでしょうか。
(1)額の裏に<新復刻画>と記載されたシールがあり
(2)イメージとマージンの境目にエンボスで<~KAII REPRODUCTION>とあり
(3)イメージ内の印譜が<魁夷復刻>となる
いかがでしょうか?わからなくてもお問い合わせいただければ大丈夫です!
ダメージの認識はオリジナル版画と同様で、シミやカビがあると買取価格は下がります。
⑤ 工芸
岩彩方式という技法で500~1000部限定で制作された作品があります。図柄によりますが、版画と比べると落ち着いた買取価格となります。工芸作品が全部値段付くわけではないので注意が必要です。工芸作品の多くは作品詳細のシールが付いていますが、額縁を開けて確認する必要があるのもあります。
高く売れる図柄は?
東山魁夷の作品で高く売れるモチーフに【白馬】があります。日本画・版画・工芸等の技法に関係なく白馬が描かれている作品は評価が高い傾向です。
他には東山ブルーと呼ばれるような色合いで構成された作品も良いとされています。
まとめ
東山魁夷は日本画壇で最も人気がある作家のため、関連する作品が多く制作されています。没後20年が経過した現在でも新しい作品が制作されています。日本画などの直筆作品以外はご自身で購入していないと判別するのは難しいかもしれません。近年相続などで譲り受けたお客様からの問い合わせも増えておりますので、詳細が分からない場合は無料の出張査定等のサービスをご案内しています。
LINEやメールからでも簡単にお問い合わせが可能ですのでお気軽にご相談ください。
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東山魁夷の代表作品
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白馬の森
(1988年)
東山魁夷の代表作です。同タイトルでオリジナル版画(木版orリトグラフ)・新復刻版画・工芸作品が作られています。 -
晩鐘
(1996年)
東山魁夷の作品では珍しい海外の風景です。250部制作されたオリジナルのリトグラフ作品です。 -
緑響く
緑響くの新復刻版画で500部制作されています。
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静映
(1985年)
リトグラフで制作された版画作品です。東山らしいグリーンとブルーで構成された作品は非常に人気があります。 -
たにま
(1999年)
木版で制作された版画作品です。東山の作品では珍しい「雪」が登場する作品で、自然の静寂さが美しく表現されています。 -
綿雲
(1995年)
リトグラフで制作された版画作品で、空に浮かぶ白馬が特徴的です。 -
月影
(1997年)
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吉野の春(新復刻)
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春静
(1983年)
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曙
(1978年)
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花明り
(1978年)
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夏に入る
(1978年)
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月光
(1999年)
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黄山雨収
(1992年)
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秋彩
(1993年)