一級品の作品であれば1000万円を超える評価もできますが、そのような作品は美術館クラスのため市場には殆ど出回っていないです。現実的な買取金額は数十万~数百万円前半ではないでしょうか。モチーフ、サイズ、コンディション等によって具体的な買取金額が決定します。
青邨作品の魅力は、濁りのない鮮やかな色彩表現と圧倒的なディテールの細密描写にあります。若き日に紅児会会場で岡倉天心から受けた「にごりを取りなさい」という助言を受けて奮起した青邨は、より研ぎ澄まされた色彩感覚へと到達しました。琳派の「たらしこみ」の技法も習得し、絵の具が乾かないうちにほかの絵の具をたらしてにじませることでモチーフに深みをだし、おおらかで格調高い作品を生み出しています。1949年の「真鶴沖」は源平合戦に取材し、深みある海の色彩と精緻に描かれた甲冑に、歴史画の名手としての青邨の画技と構成力が余すところなく発揮され、高く評価される作品です。
青邨は1930年の「罌粟(けし)」以降、本格的に花鳥画に取り組みます。金屏風に端然と描かれた罌粟の描写には気品が漂い、日本画の装飾美が極められています。牡丹や菊など四季折々の花々を描いた青邨ですが、最も得意としたのは梅でした。繰り返し描いた「紅白梅」の主題は、紅白の梅の木を画面いっぱいに配置した大胆な構図と、華麗な色彩と技巧をこらした豪華絢爛さで知られ、人気の高い作品です。墨で羽を瑞々しく仕上げた1940年の「鵜」、猫や鶴など身近な動植物を巧みな構図と繊細な線描でとらえた花鳥画作品も、青邨の人気を不動のものにしています。