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美術品の値段はどのように決めるか?|立体編(彫刻・ブロンズなど)

立体

★はじめに
美術館で飾られている作品には値札が無く、添えられている文字情報は作品の詳細(作家名・タイトル・制作年代など)のみです。しかし、美術館に収蔵されている作品たちも、美術館に来る前は値段が付けられ流通していたものが多いのではないでしょうか。

美術品に対しては高尚なイメージをお持ちの方が多く、作品とお金とを結びつける話をする事を歓迎しない雰囲気がありますが、口には出さずとも美術品とお金の関係が気になる方も多いことと思います。
このブログでは、立体作品 且つ 新作 (※) に焦点を当てて『作品の値段の決め方』を紹介させていただきます。

※新作とは:
作家から直接販売される作品を指します。美術品は需要がある限り物故作家(亡くなった作家)の作品でも商品として流通しているため、中古(二次流通)の作品も多く存在します。新作と中古とでは値付け方法が大きく異なるため、今回は新作の場合についてまとめます。


★立体とは
【立体】とは、彫刻のような立体造形物を指します。【絵画】の対となるジャンルだと言う方も居ます。材料としては木・石・大理石・土・金属など、様々な素材が使われ、よくモチーフとされるのは、人物・動物・植物などです。
古典的な手法を用いた作品から、現代のカルチャーや新しい素材から着想を得て制作されている作品まで多岐に渡る、非常に奥が深く面白いジャンルです。


★気になる値段の決め方は?
絵画作品と立体作品とでは値段の決定方法が若干異なります。比較対象がある方がわかりやすいと思いますので、本章では絵画作品の一般的な値付け方法も併せて紹介させていただきます。

絵画

〜絵画の値段を決める〜
絵画作品は【サイズ(号)×1号あたりの評価額(号評価)】といったルールを用いて価格を決定している方が多い印象です。
絵画のサイズは【号】という単位で表され、数字が上がるほど作品のサイズが大きくなります。(0〜300くらいまで幅広く存在します) 値付けの例ですが、1号サイズで5万円の評価額(号評価)が付いている作家作品は、10号サイズだと50万円の評価額となります。通常新人作家は号あたり1〜3万円ほどの金額からスタートし、徐々に号評価額を上げていくようです。
一般的に値段決定の上では、制作時間やモチーフよりもサイズの大きさが重要視されます。

相談

〜立体の値段を決める〜

一方 立体作品は、絵画の【号評価】のような基準が存在しないため、作品を取り扱うギャラリーと作家とが相談をして販売価格を決めることが多いようです。とある作家の方とお話し出来る機会があり伺ったところ、「明確な値付けのルールは存在せず、作家の性格やギャラリーの方針などにより様々」とのことでした。
その作家さんは値付けに関し、とあるギャラリー店主からこんなことを言われたそうです。『もう一回作って欲しいとお願いされたときに、作ることができる値段設定にしなさい』
なるほど、そんな考え方もあるのか・・・と思うと同時に、立体作品の値段には作家自身の哲学や意思が強く表れているのだと知り、面白みを感じました。

〜補足:コスト(掛かった費用)の考え方〜
立体作品の値付けにおいてルールは存在しないにしても、用いる素材(木や大理石など)によって掛かるコスト(材料代や人件費)が変わるため、ジャンルによって凡その相場はあると聞きます。
具体例として、【木彫】と【テラコッタ】を比べてみましょう。

木彫とテラコッタは共に彫刻の中の種類です。(絵画に日本画や油絵があるようなイメージです)
木彫とは、ヒノキやクスノキなどを材料とし、彫って作品を作り上げます。当然ですが、細部まで表現するほど時間がかかり、作品によっては1月以上もかかるケースもあります。

一方、テラコッタは素焼で制作された造形物です。食器などの焼き物は釉薬を使っているためガラス質でコーティングされたように見えますが、素焼は土の質感が残ります。赤や茶色の乾燥した下地が特徴的です。
制作スピードが速い作家は、1〜2日ほどで作品を完成させるそうです。

上記のように用いる素材によって作品が完成するまでの時間が大きく異なります。そのため、木彫とテラコッタを比較すると、木彫の方が高い値段が付けられる傾向が高いです。
芸術性という側面から見れば制作に費やした時間は本質的な価値に関係ないかもしれませんが、制作時間をコストとして考えると、時間を費やしているほど高い金額で売りたくなるのが当然でしょう。

値上

★人気が上がれば値段も上がる
絵画の値付け方法紹介の中で少し触れましたが、新人作家は低い価格設定から始め、人気を得るとどんどん値段を上げていきます。これは全てのジャンルに共通することです。

ではどのようなタイミングで値段を上げるのでしょうか。
これは非常に難しいです。コレクターが定着する前に値上げを行うと、既存のコレクターが離れるなどのリスクがあります。また、値上げするタイミング逸すると人気作家への道が遠のく可能性もあります。

業界内で言われる一つの基準に『完売ルール』があります。完売ルールとは[個展で作品が完売したら金額を上げていく]方法です。[完売する=供給より需要が多い]と考えることができるからです。
一度値段を上げてしまうと下げることが難しいため、慎重にならざるを得ず、大変難しいところです。


★まとめ

芸術作品に意味のない値段設定は無く、必ず根拠や理由があります。
日用品のように想像しやすい値段設定ではないかもしれませんが、立体作品もコストなど市場原理にのっとり値段が決定されています。
値段を付ける側も様々な要因を考慮しながら決めている事を理解していただけると幸いです。



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