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銀座に画廊が多い理由は?

銀座 並木通り

★はじめに
高級ブランドや人気店が立ち並ぶ、日本の顔と言っても過言ではないであろう街「銀座」。
お買い物に訪れる方が多いと思いますが、美術業界に従事する私はもうひとつ違う印象を持っています。
ずばり『画廊の多い街 銀座』です。
銀座によく行かれる方は既にお気づきかと思いますが、銀座の街を歩くと至るところに「○○画廊」「ギャラリー△△」といった看板があります。

『なぜ銀座に画廊が多いのか?』という質問を業界の先輩方にぶつけたことがありますが、残念ながら腑に落ちる回答は得られませんでした。
最近銀座を訪問した際、改めてその疑問を感じましたので、自分なりに答えを探してみました。同じように疑問を抱かれている方に、少しでもヒントになれば嬉しく思います。


★実際どれだけの画廊が銀座に集まっているのか?
まず本当に画廊が多いのか。体感では多かったのですが、きちんと業界紙でも調べてみました。今回は[美術市場(※)2018]を参考にしています。
※美術市場とは、作家の評価金額(号評価)や全国のギャラリー・鑑定機関を網羅している業界専門冊子。年に1度発行される。

美術市場(2018年度)で確認したところ、銀座に住所がある画廊は90件ありました。京橋エリアを含めると、余裕で100件以上です。

やはり多いですね。銀座にはこれだけ多くの画廊が集まっています。

ギャラリー


★老舗と呼ばれる画廊は銀座周辺に固まっている

上の調査で、銀座に画廊が多く存在していることは事実だとわかりました。調査の中で画廊名を見ていると、名が通っている老舗が多いことに気付きます。
老舗の画廊が銀座に多く集まっている理由は、「銀座の文化的土壌」と「老舗画廊を取り巻く商環境」にあるのではないかと思います。

〜銀座の文化的土壌〜
戦後、文化の中心地は銀座でした。1丁目から8丁目まで碁盤の目に整備された街には、衣食住すべてのジャンルの最高峰が集うようになりました。
最高峰のモノがあれば、最高峰を求めるお客様が集います。絵画・美術品の多くは決して安い金額のものでないため、そのようないわゆる上層のお客様はメインターゲットです。勿論その分家賃も高いのですが、金額に見合うだけのステータスシンボルが得られたのでしょう。

また、絵画・美術品は「販売して終わり」という商売ではありません。購入してもらった後も購入者と密接な関係を作り、作品についての相談を受け、アドバイスをする必要があります。最高の食事やショッピングを楽しめる銀座に居を構えることにより、そのような購入後のサービスも提供しやすかったのではないかと思います。

〜商環境としての銀座〜
老舗と呼ばれる画廊にも
・若手作家を中心に扱っている画廊
・物故作家(既に亡くなっている作家)を中心に扱っている画廊
など、様々な形があります。
物故作家を中心に商売している画廊には、新作(制作後誰の手にも渡っていない作品)というものはほぼ存在しません。既に亡くなっている為当然新しい作品は出てきませんが、画廊としてもその作家を扱っている以上は何らかの形で作品を仕入れなくてはいけません。

その作品を仕入れる場として【東京美術俱楽部】が存在します。東京美術俱楽部は日本の商美術を支える本丸的なところで、現在も芸術に関する幅広い活動を行っています。その活動のひとつに[業者間で作品を売買する場所の提供]があり、物故作家の作品仕入れはこのような所で行われています。
更に、東京美術俱楽部は一部の物故作家の鑑定を行っているため、そのような意味でも非常に重要な場所です。(鑑定が必要な作家は著名作家の一部です。詳しくはこちらのブログにまとめています。)

現在東京美術俱楽部は、浜松町と新橋の間くらいに位置し、銀座とのアクセスも良好です。この東京美術俱楽部の存在も、銀座の画廊発展に影響が大きかったのではないかと推測しています。


★現代美術を取り扱うギャラリーはさまざまな場所に点在
コンテンポラリーアートと呼ばれる【現代美術】を中心に扱うギャラリーの多くは銀座に限らず、様々な場所に点在しています。それらは老舗画廊の様に二代目・三代目…と続いている歴史は無く、当代で立ち上げた方が殆どでしょう。

銀座中心で考えられている絵画・美術品取引と一線を画し、江東区、品川区、渋谷区、港区などで営業しているところが多い印象です。単純に「銀座は家賃が高すぎる」という問題もあるかもしれませんが…。


★まとめ
これまで漠然と「銀座には画廊が多い」と思っていましたが、今回の調査でそれは事実だということがわかりました。まさか銀座に住所を置く画廊が90件もあるとは・・・、思っていた以上です。今後もしばらくは「銀座=画廊・ギャラリーの聖地」というイメージが続きそうですね。
しかし、日本で最も地価が高い場所のひとつ 銀座で商売を続けることは大変です。当然ですが、住所だけで作品が売れるような簡単な世界ではありません。また、過去に比べると絵画を贈り物として購入したりすることも少なくなっており、絵画・美術品の販売方法や取扱作家にも工夫が必要となってきました。
絵画・美術品のいちファンとしては、これからも銀座の画廊・ギャラリーに力強く、カッコよく、頑張っていただきたいと思います。


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