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ルネ・ラリックの作品を鑑賞可能な美術館3選|アール・ヌーヴォーとアール・デコの両時代に活躍した工芸家の略歴と作品の特徴も解説

ルネ・ジュール・ラリック(René Jules Lalique)は、19世紀末から20世紀にかけて活躍したジュエリー作家、ガラス工芸家です。アール・ヌーヴォーとアール・デコの両時代で、人々を魅了する数々の名作を発表して時代の寵児となりました。

今回は、工芸家ルネ・ラリックの作品が鑑賞できる美術館や、彼の代表作品などについて幅広く紹介します。



ルネ・ラリックとは?


ルネ・ラリック
出典元:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ルネ・ラリックは、19世紀末から20世紀にかけて活躍したジュエリー作家、ガラス工芸家です。40代の頃までは主にアール・ヌーヴォーのジュエリー作家として一世を風靡し、その後はガラス工芸家に転向して活躍しました。60代の頃からはアール・デコのガラス工芸品を多く制作しています。

時流を見極めながら自らの進むべき道を模索したラリックは、時代の最先端を走る名作を次々に発表しました。アルメニア人の石油商カルースト・グルベンキアンやフランスの大女優サラ・ベルナールも彼の作品に魅了され、彼の活動を後押しします。

代表作には「Dragonfly lady brooch」や「Spirit of the Wind」があり、その他にもアクセサリーや香水瓶、花瓶、噴水、室内装飾などを幅広く手がけました。ガラスの原料にリン酸塩などを溶かしてオパールのような濁った輝きを持たせる「オパルセント・ガラス」の技法を用いたことでも有名です。

芸術性と工業性が並び立つ類のないデザインを生み出したラリックの作品は、現在も多くの人から愛されています。



ルネ・ラリックの作品を鑑賞できる美術館3選



それでは、日本国内でラリックの作品を鑑賞できる、3つの個性派美術館を紹介します。



箱根ラリック美術館(神奈川)


箱根ラリック美術館
出典元:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

「箱根ラリック美術館」では、ラリックが若い頃に制作したアール・ヌーヴォー様式のジュエリーから、50代から晩年にかけて制作したアール・デコ様式のガラス工芸品までを幅広く所蔵しています。香水瓶「三羽のツバメ」やシャンデリア「狩り」「アルジェ」などを含め、1,500点もの作品をコレクションしており、そのうちの約230点が常設展示室で観賞可能です。

ラリックが室内装飾を手がけたオリエント急行のサロンカーのなかで、専属クルーの解説を聞きながらカフェを楽しむこともできます。箱根ラリック美術館を訪れたら、ラリックのガラスパネルに埋め尽くされた列車「ル・トラン」で一服し、ゆったりと世界観にひたってみてください。

住所神奈川県足柄下郡箱根町仙石原186番1
アクセス・箱根登山鉄道「箱根湯本駅」より、箱根登山バス「湖尻・桃源台」行きにて 約30分「仙石案内所前」下車すぐ
・新幹線・JR「小田原駅」より、箱根登山バス「湖尻・桃源台」行きにて 約45分
「仙石案内所前」下車すぐ
・東名御殿場I.C.より乙女峠経由、仙石原まで車で約20分
営業時間9:00〜16:00(最終入館は15:30まで)
料金大人1,500円、大学生・高校生・シニア(65歳以上)1,300円、
中学生・小学生800円
公式HPhttp://www.lalique-museum.com/




東京都庭園美術館(東京)


東京都庭園美術館
出典元:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

「東京都庭園美術館」は、久邇宮朝彦親王の第8王子鳩彦王が1906(明治39)年に創立した朝香宮家のかつて邸宅を利用した美術館です。建物自体がアール・デコ様式の貴重な歴史的建造物で、国の重要文化財にも指定されています。

東京都庭園美術館ではラリックのパウダーケース「スカラベ」や、花瓶「インコ」「オラン」などを所蔵しています。また、照明玄関のガラスレリーフ扉はラリックが手がけており、こちらも見逃せません。

住所東京都港区白金台5-21-9
アクセス・JR山手線「目黒駅」東口/東急目黒線「目黒駅」正面口より徒歩7分
・都営三田線・東京メトロ南北線「白金台駅」1番出口より徒歩6分
・バス停留所「白金台5丁目」より徒歩3分
・首都高速2号線「目黒出口」出てすぐの「庭園美術館西」交差点を左折して駐車場へ
営業時間10:00〜18:00(最終入館は閉館の30分前まで)
料金展覧会により異なる。詳細は展覧会HPで確認。
公式HPhttps://www.teien-art-museum.ne.jp/




太陽の森ディマシオ美術館(北海道)



北海道にある「太陽の森ディマシオ美術館」では、フランスの現代アーティストであるジェラール・ディマシオの作品をはじめ、国内外のさまざまな芸術作品をコレクションしています。施設内には「彫刻庭園」や「ガラスの美術館」などがあり、自然とふれあいながらアートを楽しめます。

ラリックの作品を展示しているガラスの美術館は、廃校になった小学校のプールを利用して建築されました。ガラス張りの室内には明るい自然光があふれており、作品の輝きを肌で感じ取れます。

住所北海道新冠郡新冠町字太陽204番地の5
アクセス・日高自動車道 厚賀インター出口より車で約20分
・道南バス 苫小牧駅前/9:05発 → 厚賀/10:55着
・厚賀デマンドバス(当日午前11時までの予約制)
 厚賀駅前/12:10発 → 太陽の森ディマシオ美術館前/12:50着
 ※日曜、祝祭日、12/31〜1/3は運休
営業時間9:30〜16:30(16:30まで入館可能)
料金大人1,100円、大学生・高校生700円、中学生300円、小学生以下無料
公式HPhttps://dimaccio-museum.jp/




ルネ・ラリックの略歴



続いて、ルネ・ラリックの略歴について簡単に紹介します。美術館を訪れる前の予習にお役立てください。



1900年:パリ万国博覧会でジュエリー作家として名声を得る



ルネ・ジュール・ラリック(René Jules Lalique)は、フランス北部のシャンパーニュ地方にあるアイ村で、1860年に誕生しました。2歳のときにパリ郊外へ引っ越しましたが、ラリック一家はバカンスの度にこの村を訪れていたそうです。ラリックは幼い頃から絵を描くのが好きで、アイ村の風景を絵ハガキに描いて隣村で売り、小遣いを稼ぐこともありました。

1876年に父親が若くして亡くなると、ラリックはアール・ヌーヴォーの宝石職人で金細工師のルイ・オーコック(Louis Aucoc)に弟子入りします。その後、ロンドンのクリスタルパレス美術学校で2年間学び、グラフィック・デザインやアール・ヌーヴォーへの知見を深めました。

アール・ヌーヴォー(Art nouveau)とは、直訳すると「新しい芸術」という意味で、花や植物などの有機的なモチーフや自由な曲線を用いた装飾を特徴とし、ちょうどこの頃から20世紀初頭にかけて流行した美術様式です。

フランスへ帰国するとラリックはジュエリーデザイナーとして働き始め、1885年には高級ブランド店が立ち並ぶパリ中心部のヴァンドーム広場にアトリエを構えます。そして、フランスの宝石商カルティエやブシュロンに作品を提供するようになりました。

1897年にレジオン・ドヌール勲章を受章したラリックは、1900年のパリ万国博覧会において多くの人から注目を集め、ジュエリーデザイナーとしての地位を確固たるものにします。上流階級の女性たちは、自らがまとうボリューム感のある華やかなファッションにラリックの制作した優美なジュエリーをこぞって取り入れました。

アルメニア人の石油商カルースト・グルベンキアンやフランスの大女優サラ・ベルナールなどの著名人も彼の顧客となり、ラリックの制作活動を後押ししました。



1908年:フランスの香水商フランソワ・コティの注文によりガラス工芸品の制作を始める



次第にシンプルで実用的なファッションに流行が移ると、ラリックは新たな道を模索し始めます。1908年に香水商のフランシス・コティから香水瓶のラベルのデザインを依頼されたラリックは、香水瓶本体のデザインも同時に提案します。こうしてガラス工芸品の制作をスタートしたラリックは、その後ジュエリーデザイナーからガラス工芸家へと本格的に舵を切りました。1912年以降はジュエリーの制作から離れ、香水瓶、花瓶、置時計などのガラス工芸品を制作します。

1918年、ラリックはシャンパーニュ地方の東側にあるアルザス地方のヴァンジャン=シュル=モデール村に工場を建設し始めます。数年をかけて完成したこの工場は、現在のラリック社の起源でもあります。1920年頃にはこれまでの曲線的なデザインに加えて直線を用いた新しい作風にも挑戦し、ラリックはガラス工芸家としても名声を得るようになりました。



1925年:パリにおける現代装飾美術・産業美術展で、ラリックのために1つのパビリオンが与えられた



ラリックが60代半ばにさしかかった1925年、パリで現代産業装飾芸術国際博覧会(Exposition internationale des arts décoratifs et industriels modernes)が開催されます。約1,600万人が訪れたといわれるこの国際博覧会においてラリックには1つのパビリオンが与えられ、アール・デコ様式の直線的で幾何学的なデザインの作品を発表します。

アール・デコ(Art Déco)とは、現代産業装飾芸術国際博覧会の略称である「アール・デコ博」から取られた名称で、直訳すると「装飾美術」という意味です。直線的で幾何学的なデザインと原色の対比表現などを特徴とするアール・デコは、アール・ヌーヴォーに続く美術様式として現代産業装飾芸術国際博覧会以降に大流行しました。

この頃のラリックは、「SSノルマンディー」という豪華客船の室内装飾や、イギリスのジャージー島にある聖マタイ協会(ガラス教会として有名)の内装、シトロエンやシボレーなどのカーマスコット(ボンネットの先端に付ける装飾品)なども手がけています。

ラリックは1945年にパリで亡くなるまで、多くの傑作を生みだしました。ただし、晩年になるとリウマチが悪化してデッサンが難しくなったため、実際には娘のスザンナがデザインしたものをラリックの名義で発表することもありました。



ルネ・ラリックの代表作品



それでは最後に、ルネ・ラリックの代表作品をいくつか紹介します。

Dragonfly lady brooch
「Dragonfly lady brooch」
出典元:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

「Dragonfly lady brooch」はルネ・ラリックが制作したアール・ヌーヴォーの作品の中で、もっとも有名なものといっても過言ではないでしょう。グリフィンのような爪を持つ昆虫と、その口から上半身を乗り出す羽を持った女性を一体化してデザインし、トンボのように表現しています。

1900年のパリ万博に出品された「Dragonfly lady brooch」は、優美なだけのジュエリーとは一線を画すどこかグロテスクな魅力でパリの上流階級の女性たちを強く惹きつけました。このとき、ラリックの作品に魅了された人々が彼のブースに殺到したといわれています。


Spirit of the Wind
「Spirit of the Wind」
出典元:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

1920年から1930年にかけて、ラリックはカーマスコットを多く制作しました。そのなかでも「Spirit of the Wind」はフランスの自動車ブランド「シトロエン」へ提供されたもので、自動車の走行によって髪をたなびかせているかのような女性の頭部がデザインされています。アール・デコにふさわしい直線的な意匠が特徴です。

他にも、1920年に制作され、海の神ポセイドンの妻を意味する「amphitrite(アンフィトリット)」という名前を付けられた香水瓶もあります。「amphitrite」は、胴部は渦巻き型の貝、ストッパーには女性がデザインされており、優美な意匠が人気を集めています。



ルネ・ラリックの作品が鑑賞できる美術館まとめ



ルネ・ラリックは、ベル・エポック(華麗なフランス文化が花開いた19世紀末から1914年頃までの時代)に次いで二つの世界大戦が起こった激動の時代を、自らの芸術を追い求めて生き抜いた人気の工芸家です。時代に挑み続けたラリックのインパクトのある作品は、サラ・ベルナールなどの著名人を含む多くの人から熱烈に愛されました。それらは激動の時代を映す鏡ということもできるでしょう。

今回は、そんなルネ・ラリックの作品を鑑賞できる国内の美術館を三つ紹介しました。どの美術館も、ルネ・ラリックの魅力を存分に感じ取れる個性的な美術館です。ぜひ足を運んで、ラリックの光り輝く美しい作品を身近に感じてみてください。



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