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伊東深水の美人画が有名な理由を解説|新版画運動を牽引した日本画家の代表作品と作品展示中の美術館を紹介


大正から昭和にかけて活躍した日本画家の伊東深水(いとう しんすい)は、鏑木清方(かぶらき きよかた)、上村松園(うえむら しょうえん)とともに近代を代表する美人画家といわれています。16歳という若さで院展に入選し、それ以後気品あふれる多くの日本画や木版画の名作を生みました。

今回は伊東深水の美人画の作風や代表作品、彼の作品を鑑賞できる美術館などについて、幅広く解説します。



伊東深水の美人画はなぜ有名なのか



伊東深水の美人画は、なぜ人気を集めているのでしょうか?ここからはその秘密に迫ってみましょう。



伊東深水の美人画の作風について


伊東深水_指
指(1922年)

上村松園、鏑木清方、伊東深水は美人画の三巨匠と呼ばれています。なかでも伊東深水は伝統的な歌川派浮世絵の流れを継ぐ最後の美人画家として有名です。伊東深水の描く美人画からは、指先から着物のシワのひとつまで行き届いた美意識を感じ取ることができるでしょう。そこには対象となる人物の美を讃えるかのような、深く愛のこもったまなざしが存在します。

そんな伊東深水が美人画家としての地位を確立したのは結婚後です。妻の好子をモデルとして描いた『指』や『湯気』の、艶やかで気品あるさまが高く評価されました。のちには美人画の依頼ばかり来るようになり、他のモチーフを描く機会を得られず深水自身が困惑するほどだったといいます。

浮世絵の流れを継ぎながら現代の風俗に挑戦した伊東深水は、何気ない仕草を鮮やかに切り取った多くの名作を生み出しました。古典と現代を繋ぎ、日本美術史の中で大きな功績を残した伊東深水の作品は、今でも多くのファンから愛されています。



伊東深水は精力的に活動をしていたため、作品の数がとても多い



伊東深水は、帝展、日展といった官展(政府が主宰する展覧会)を中心として作品を発表しました。また、深水画塾の運営や日月社の顧問を務めて、それらの展覧会にも作品を出品しています。その他数々の個展を開催したことを鑑みても、伊東深水は非常に精力的に活動し、多くの作品を生み出した画家といえるでしょう。

また、伊東深水の描く美人画はとても人気があったため、戦後には複製版画(オリジナルと同じ版を使っているが、作者がほとんどかかわらずに制作された版画。作者の死後に版権所有者の監修で制作されたものなども含む)もたくさん出回りました。そのような点からも、伊東深水の作品は数が多いといえます。



伊東深水は風景画でも評価が高い



伊東深水の優れた描写力は、美人画だけでなく下層階級の人々にスポットを当てて制作した初期の作品や、「新版画」運動を通して制作した風景版画、海軍報道班員として南方へ派遣された際に描いたスケッチなどからも見て取れます。なかでも風景画は魅力的な作品が多く、高く評価されています。

伊東深水が1917(大正6)年から1918(大正7)年にかけて制作した『近江八景』は、江戸時代の後期に流行した名所図絵や浮世絵の系統をひいた、代表的な木版画の名品です。また、第二次世界大戦中に南方のインドネシアやシンガポールで描いた数多くのスケッチは、歴史的にも美術的にも貴重な資料といえるでしょう。



伊東深水の略歴


伊東深水
出典元:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

続けて、なぜ伊東深水が美人画の巨匠と呼ばれるようになったのか、その歩みを振り返ってみます。



1911年:鏑木清方へ入門して、深川の水にちなむ「深水」の号を与えられた



1898(明治31)年、伊東深水は東京の深川(現在の東京都江東区の西部)に生まれました。小学校を中退した伊東深水は一時看板屋で働いたのち、11歳からは東京印刷活版部で活字工として働きます。

2年後の1911(明治44)年、伊東深水は鏑木清方に師事して日本画を学び始め、出身地の深川の水にちなんで「深水」という号を与えられました。父の事業の失敗により経済的に困窮していた伊東深水は、昼間に働きながら鏑木清方の勧めで夜間学校にも通い、さらに夜中に絵を描くという忙しい日々を送ります。

入門の翌年1912(明治45)年に開かれた巽画会(たつみがかい。深川出身の画家によって結成された美術団体)に、伊東深水は労働者の父と娘を描いた「のどか」を出品し、初入選します。以後は再興第1回院展、第3回院展などに出品して立て続けに入選を果たし、日本画家としての第一歩をふみ出しました。

また、1916(大正5)年には渡辺庄三郎の提唱した「画家」「彫師(ほりし)」「摺師(すりし)」の三者分業で行う「新版画」運動に参加します。伊東深水は橋口五葉、川瀬巴水らとともに趣のある魅力的な版画を次々に発表しました。

1919年(大正8)年、伊東深水は2歳年上の永井好子(よしこ)と結婚し、その後長男と次男をもうけました。



1927年:大井町に深水画塾を設立する


朝丘雪路
朝丘雪路(本名 加藤雪会、旧姓 勝田)1954年
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

1927(昭和2)年、大井町の自宅に深水画塾(のちの朗峯画塾)を設立した伊東深水は、後進の育成にも力を注ぎ始めます。また、1932(昭和7)年には日本画科の広島晃甫、山口蓬春、児玉希望らとともに青々会を結成し、人物画の研究にもいそしみました。

この頃の伊東深水は、帝展を中心に『羽子の音』『雪の夜』『浄晨(じょうしん)』などの名作を次々と発表しています。さらに、1933(昭和8)年の第14回帝展以降は、帝展の審査員も度々務めました。

1935(昭和10)年、伊東深水は料亭「勝田」の女将との間に雪会(後の朝丘雪路)をもうけます。



1943年:海軍報道班員として南方諸島へ派遣されている間に、4000枚ものスケッチを行う



第二次世界大戦中の1943(昭和18)年、伊東深水は海軍報道班員として南方のインドネシアやシンガポールに派遣され、この地で約4,000枚ものスケッチを残します。これらは歴史的にも美術的にも貴重な資料となりました。

1950(昭和25)年、伊東深水は白鳥映雪、児玉希望、奥田元宋らとともに日月社を結成し、その顧問となります。また、戦後の伊東深水は主に日展で活躍し『銀河祭り』や『鏡』を発表しました。特に『鏡』は、1947(昭和22)年の第4回日本芸術院賞(日本芸術院会員以外で卓越した芸術作品を制作した者が受賞)に選ばれたことで知られます。



1958年:優れた功績のある芸術家を優遇するための日本芸術院会員に推挙される



1958(昭和33)年、伊東深水は日本芸術院の会員となります。さらに同年、日展の理事にも就任します。その後も伊東深水はたくさんの作品を意欲的に制作し、多くの展覧会に出品しました。

1967(昭和42)年、東京都品川区上大崎にある伊東家の菩提寺隆崇院(りゅうそういん)の本堂天井に「牡丹唐獅子図」を制作します。その5年後の1972(昭和47)年、伊東深水は癌のために74歳でこの世を去りました。



伊東深水の代表的な美人画作品



伊東深水の美人画のなかからもっとも有名な作品をいくつか紹介します。



対鏡|1916年



『対鏡』は、10代後半の伊東深水が渡辺庄三郎の提唱する「新版画」運動に参加し、1916(大正5)年に制作した木版画です。鏡は描かれていませんが、鏡に向かっていると思われる赤い着物の女性が豊かな黒髪に手をあてている様子を描く趣のある作品です。

この頃の作品から、のちの伊東深水の美人画にみられる情感あふれる作風がすでに見受けられます。



湯気|1924年



1924(大正13)年に制作された『湯気』は、1919(大正8)年に結婚した正妻の好子夫人をモデルに描かれました。湯上りの女性が浴衣のたもとをくわえて手拭いを絞っている様子が湯気とともに美しく描かれています。

伊東深水が好子夫人を描いた作品には、『湯気』の他にも1922(大正11)年に平和祈念東京博覧会で二等銀牌を受賞した『指』などがあります。



花火|1932年



1932(昭和7)年に制作された『花火』は、腰かけた女性が花火を眺めている様子を描いた作品です。青を基調とした爽やかな着物をまとう女性は、団扇を手に持ち、口元に微笑みを浮かべているようにも見えます。



ささやき|1959年



『ささやき』は1959(昭和34)年に制作されました。50代半ばを過ぎた伊東深水による、美人画の最高傑作といえるでしょう。華やかな着物をまとう2人の女性がひそひそとささやきを交わす場面が描かれています。2人の女性の艶やかなまなざしが印象的な、非常に伊東深水らしい趣のある作品です。

1954(昭和29)年に、着物の柄や色の異なる同じ構図の版画を制作しています。



伊東深水の美人画作品鑑賞が可能な美術館・展覧会



最後に、伊東深水の作品を身近に観られる全国の美術館を紹介します。



東京国立近代美術館(東京)


東京国立近代美術館
出典元: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

「MOMAT」の名称で親しまれる『東京国立近代美術館』は、13,000点以上のコレクションを誇る国内有数の大型美術館です。

伊東深水が1917(大正6)年から1918(大正7)年にかけて制作した木版画『「近江近景」より 唐崎の松』『「近江八景」より 堅田浮御堂』『「近江八景」より 瀬田の唐橋』や、1931(昭和6)に制作した日本画『露』『雪の宵』など、非常に多くの作品を所蔵しています。


住所〒102-8322 東京都千代田区北の丸公園3-1
アクセス東京メトロ東西線「竹橋駅」下車(1b出口)徒歩3分
営業時間10:00〜17:00(入館は閉館30分前まで)※開館時間は変更になる可能性あり
料金一般500(400)円、大学生250(200)円、高校生以下及び18歳未満/65歳以上無料
※( )内は20人以上の団体料金
※特別展・共催展は展覧会ごとに異なる
公式HPhttps://www.momat.go.jp/am/




伊東近代美術館(長野)



『伊東近代美術館』は、伊東酒造の創業者である伊東充の収集した約330点の作品を展示する美術館です。伊東充と親交のあった伊東深水、平櫛田中、横山大観などの作品をコレクションしています。

伊東酒造の蔵の隣にある古民家等を利用し、大正時代の造りをそのまま残して改修した趣のある美術館です。

住所〒392-0004 長野県諏訪市諏訪2-4-5
アクセス・JR中央本線 上諏訪駅より徒歩10分
・中央道 諏訪ICより車で15分
伊東酒造(株)隣
営業時間10:00〜16:00
料金800円
電話番号0266-52-0164




上原美術館(静岡)



『上原美術館』は、大正製薬株式会社名誉会長の上原昭二氏からの寄付による近代絵画コレクションや、上原氏の両親である正吉、小枝夫妻からの寄付による仏教美術のコレクションを元に収蔵する美術館です。

上原美術館は近代館と仏教館にわかれており、伊東深水の作品が観られるのは近代館です。1965(昭和40)年頃に制作した『春雪』や、昭和初期に制作した版画『伊豆八景』シリーズを収蔵しています。

住所〒413-0715 静岡県下田市宇土金341
アクセス・最寄り駅「伊豆急下田駅」から東海バス5番に乗車し「相玉」で下車
 その後徒歩約15分
・東名高速道路 沼津ICより下田方面へ 約1時間40分
・最寄り駅「伊豆急下田駅」から東海バス5番に乗車し「相玉」で下車
 その後徒歩約15分
・東名高速道路 沼津ICより下田方面へ 約1時間40分
営業時間9:30〜16:30(入館は16:00分まで)
料金大人1,000円、学生500円、高校生以下無料
※団体10名以上は10%割引
公式HPhttps://uehara-museum.or.jp/




名都美術館(愛知)


名都美術館
出典元:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

近現代の日本画を多く所蔵する『名都美術館』では、上村松園、鏑木清方、伊東深水などの美人画のコレクションが特に充実しています。伊東深水の作品に加えて美人画の三巨匠の名品を広く鑑賞したい人はぜひ訪れてみてください。

名都美術館では、伊東深水が1924(大正13)年に制作した『湯気』や1959(昭和34)年に制作した『ささやき』などを所蔵しています。

住所〒480-1116 愛知県長久手市杁ケ池301番地
アクセス・東部丘陵線(リニモ)杁ヶ池公園駅下車 2番出口から歩道を右方向へ進み、
 東狭間交差点を右折(徒歩5分)
・名古屋インターを越えてから8本目の信号、東狭間交差点右折。
 駐車場は東狭間交差点から、当館の前を通り過ぎた1本目を右折。
 次の角を右折。約100m直進した当館西側の専用駐車場。無料 43台。
営業時間10:00〜17:00(入館は16:30まで)
料金一般700円、大・高校生400円、中学生以下無料
※20名以上の団体割引等あり ※特別展・企画展は別途定める
公式HPhttp://www.meito.hayatele.co.jp/




伊東深水の美人画作品まとめ


伊東深水_爪
爪(1936年)
出典元:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

伊東深水は、妻の好子をモデルとして描いた艶やかで気品のある作品を初めとして、多くの美人画を制作しました。モデルへのあたたかいまなざしが感じられる魅力的な作品は多くの人から愛され、伊東深水は伝統的な歌川派浮世絵の流れを継ぐ最後の美人画家として広く知られるようになります。

また、美人画以外にも風景画の制作にも力を入れており、特に初期意欲的な風景版画は高い評価を得ています。

伊東深水の美人画や風景画は、今回紹介したような全国の美術館で観賞できるので、興味のある方はぜひ足を運んでみてください。



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