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菱田春草の作品を鑑賞可能な美術館を紹介|代表作品についても解説

菱田春草(ひしだしゅんそう)は、横山大観とともに「朦朧体(もうろうたい)」を生み出したことで知られる明治期の日本画家です。岡倉天心とともに日本美術院の発足に携わり、新しい時代の日本画を追求して数々の名作を生み出しました。

病を得て、若くして逝去したため師である岡倉天心からは「不熟の天才」と称され、晩年の横山大観が「春草君が生きていたら俺なんかよりずっと巧い」と口にしていたことでも有名です。

今回はそんな菱田春草の作品が観られるおすすめの美術館や菱田春草の作品などについて紹介します。



菱田春草とは


菱田春草 出典元:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

菱田春草は明治期に活躍した日本画家です。岡倉天心の率いる日本美術院の発足に携わり、新しい時代の日本画を果敢に模索しました。特に盟友である横山大観とともに生み出した朦朧体という技法は、のちの日本画に大きな影響を与えることとなります。

菱田春草は西洋画の技法を研究し、自らの作品に取り入れようとしました。そんな彼の作品は、伝統を重んじる日本画壇において批判を受けることも多々あったそうです。

菱田春草は『黒き猫』『落葉』など、国の重要文化財に指定される名作を数多く生み出すも、36歳のとき腎臓疾患で若くして亡くなりました。現在彼の作品は旧来の日本画壇に革新をもたらした貴重なものとして、大変高く評価されています。



菱田春草の作品を鑑賞できる美術館を紹介


菱田春草の名品が観られるおすすめの美術館を、5つピックアップしました。それぞれの美術館で所蔵している作品やアクセス、営業時間等についてご紹介します。所蔵作品は常設されているとは限らないので、気になる作品があれば美術館の公式HPで確認するのがおすすめです。

また、記載している情報は記事掲載時点のものなので、実際に足を運ぶ際には最新の情報を確認することをおすすめします。



東京藝術大学大学美術館|東京

東京藝術大学大学美術館 出典元:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

東京藝術大学大学美術館は、かつて同大学にあった芸術資料館の規模を拡大し、1998(平成10)年に建設されました。美術資料だけでなく音楽資料も幅広く所蔵しており、3万点以上にのぼる資料を持っています。ただし、常時開館しているわけではなく展覧会や催し物がある間だけの開館となるので、訪れるときには注意してください。

東京藝術大学大学美術館には、菱田春草が1895(明治28)年に東京美術学校の卒業制作として描いた『寡婦と孤児』や、代表作品の一つである1897(明治30)年に制作した『水鏡』が所蔵されています。

住所〒110-8714 東京都台東区上野公園12-8
アクセス・JR上野駅(公園口)、東京メトロ千代田線根津駅(1番出口)より徒歩10分
・京成上野駅(正面口)、東京メトロ日比谷線・銀座線上野駅(7番出口)より徒歩15分
営業時間公式HP内、展覧会・催し物のページにて確認(会期以外は閉館)
料金各展覧会により異なる
公式HPhttps://museum.geidai.ac.jp/



東京国立博物館|東京


東京国立博物館 出典元:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

「東博」と呼ばれることも多い東京国立博物館は、12万点の収蔵品を誇る日本を代表する博物館です。本館、平成館、東洋館、法隆寺宝物館、黒田記念館、表慶館の6つの展示館からなり、収蔵品のうちには89点の国宝と648点の重要文化財が含まれます。2022(令和4)年の3月に創立150周年を迎えたことでも話題になりました。

東京国立博物館では、菱田春草が1897(明治30)年に制作した『拈華微笑(ねんげみしょう・微笑)』や、その翌年に制作した『梨に双鳩(そうきゅう)』をコレクションしています。また、同時代に活躍した横山大観の作品も多く所蔵しています。

住所〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9
アクセス・JR上野駅公園口、または鶯谷駅南口下車 徒歩10分
・東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、千代田線根津駅下車 徒歩15分
・京成電鉄 京成上野駅下車 徒歩15分
・台東区循環バス「東西めぐりん」で「上野駅入谷口」バス停から「上野公園経由・三崎坂往復ルート」のバスに乗車し、2つ目のバス停が東京国立博物館前(7分)
営業時間9:30〜17:00(入館は閉館の30分前まで)
※特別展の開館時間は別途確認
※月曜日、年末年始は休館(月曜日が祝日または休日の場合は開館し、翌平日に休館)
料金一般1,000円、大学生500円
※特別展は別料金
公式HPhttps://www.tnm.jp/



水野美術館|長野


水野美術館は実業家の水野正幸が集めたコレクションをもとに、2002(平成14)年に開館しました。日本画を専門に扱うこの美術館では、着物や浴衣で来館すると入館料が半額になるというサービスも行っています。

水野美術館は橋本雅邦(はしもとがほう)、横山大観、菱田春草、下村観山など著名な日本画家の作品を豊富に所蔵しています。菱田春草の作品に関しては、亡くなる前年の1910(明治43)年に制作した『夏冬』という双幅の作品などが鑑賞可能です。

住所〒380-0928 長野県長野市若里6-2-20
アクセス・上信越自動車道「長野I.C」より車で約15分
・上信越自動車道「須坂長野東I.C」より車で約25分
・長野駅東口(改札を出て左)バス乗り場より長野電鉄バス「日赤・水野美術館行き」で「水野美術館」下車
・長野駅善光寺口(改札を出て右)バス乗り場よりアルピコ交通「日赤・松岡行き」で「水野美術館前」下車
営業時間9:30〜17:00(入館は閉館の30分前まで)
※毎週月曜日休館(詳細は年間カレンダー参照)
料金一般1,200円、中高生700円、小学生400円
公式HPhttps://mizuno-museum.jp/



飯田市美術博物館|長野


飯田市美術博物館 出典元:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

飯田市美術博物館は、美術・人文・自然に関するコレクションを幅広く収集しています。美術系のコレクションの中では菱田春草の作品が特に豊富です。初期から晩年に至るまでに制作された、30点に及ぶ名品を所蔵しています。

1900(明治33)年に朦朧体で描かれた『菊慈童』や、亡くなる前年に制作した『春秋』という双幅の作品などの貴重な作品が鑑賞可能です。日本画家の滝沢具幸(たきざわともゆき)が館長を務めており、館長による日本画の実技講座なども行われるユニークな美術館としても知られています。

住所〒395-0034 長野県飯田市追手町2-655-7
アクセス・中央自動車道「飯田I.C」から車で15分
・高速バス終点「飯田商工会館」から徒歩10分
・JR「飯田駅」から徒歩20分
営業時間9:30〜17:00(入館は閉館の30分前まで)
※月曜日、年末年始は休館(月曜日が祝日または休日の場合は開館し、翌平日に休館)
料金一般310(210)円、高校生200(150)円、小中学生100(80)円
※美術・自然・文化展示の観覧料
※( )内は20人以上の団体料金
公式HPhttps://www.iida-museum.org/



茨城県近代美術館|茨城


茨城県近代美術館 出典元:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

茨城県近代美術館は茨城ゆかりの作家のほか、横山大観や菱田春草などをはじめとした日本と西洋の近代美術作品を所蔵しています。所蔵作品は約4,000点にのぼり、季節やテーマに沿って展示しています。また、千波湖を挟んだすぐそばに日本三名園のひとつである偕楽園があるので、合わせて鑑賞するのもおすすめです。

菱田春草が1908(明治41)年に制作した『林和靖』や、1902(明治35)年に横山大観と手がけた『柴舟』などを所蔵しています。

住所〒310-0851 茨城県水戸市千波町東久保666-1
アクセス・常磐自動車道水戸インターから車で約20分
・北関東自動車道茨城町東インターから車で約15分
営業時間9:30〜17:00(入館は閉館の30分前まで)
※月曜日、年末年始は休館(月曜日が祝日または休日の場合は開館し、翌平日に休館)
料金各展覧会により異なる
公式HPhttps://www.modernart.museum.ibk.ed.jp/



過去には春草生誕140年を記念し、100点を超える作品を集めた大回顧展も開催された


1874(明治9)年に生まれた菱田春草は、2014(平成26)年に生誕140周年を迎えました。これを記念し、東京国立近代美術館において2014年に大回顧展が行われています。

この「菱田春草展」では、網膜炎の療養後に立て続けに描いた『落葉』の連作や亡くなる1年前に制作した『黒き猫』など、菱田春草の代表作品が一堂に集まりました。他にも、朦朧体で描かれた『王昭君』や絶筆の『梅に雀』などを含む、100点を超える貴重な作品が展示されて大いに話題になりました。



菱田春草の略歴


菱田春草の略歴を紹介します。若くして亡くなった菱田春草の画業は約15年ほどのものでした。美術館を訪れる前に大まかな流れを押さえておけば、より深く作品鑑賞を楽しめるでしょう。



1874年:長野県飯田市に生まれ飯田学校にて後の洋画家の中村不折に習う

1874(明治9)年、菱田春草(本名:三男治)は長野県の飯田市に生まれました。元飯田藩士で銀行員の父のもと菱田家の三男として生を受けた菱田春草は、幼い頃から絵がとてもうまかったといいます。

飯田学校(現在の追手町小学校)に入学した菱田春草は、のちに洋画家となる中村不折から図画と数学を教わりました。成績優秀であった菱田春草は法律を勉強したいと考えていましたが、中村不折は菱田春草の才能を見抜き、画家になることを強く勧めます。



1890年:東京美術学校へ入学し本格的に美術を学び始める

1890(明治23)年、菱田春草は前年に開校したばかりの東京美術学校へ入学します。上級生にはのちに日本画の革新を目指して共に歩むこととなる横山大観や下村観山らがいました。

菱田春草は東京美術学校で2年生になった頃から頭角を現し、評判の学生として将来を期待されるようになります。卒業制作の『寡婦と孤児』は斬新な表現により賛否両論を巻き起こしましたが、校長の岡倉天心や橋本雅邦が強くこの作品を支持し、最終的には優秀第一席が与えられました。

卒業後は帝国博物館の模写事業に抜擢されて参加し、1896(明治29)年には第一回絵画共進会という展覧会にて初めて作品を出品します。



1898年:岡倉天心が新しく発足させた日本美術院の正員となる

1898(明治31)年、岡倉天心のもとに橋本雅邦、横山大観、下村観山、菱田春草らが集まり、日本美術院を発足させました。日本美術院とは新しい時代の日本美術を追求することを目的とした美術団体です。

日本美術院において、菱田春草は横山大観とともに「朦朧体」という新しい表現技法を生み出します。しかし、伝統を重んじる画壇では輪郭を持たず色の重なりで表現する斬新な表現技法を辛く評価しました。「朦朧体」とは新しい技法を揶揄する言葉でもあったのです。



1903年:インド・アメリカ・ヨーロッパと渡り、帰国後は日本画の完成を目指した


1903(明治36)年から1905(明治38)年にかけて、菱田春草は盟友の横山大観とともにインドやヨーロッパを外遊し、海外の絵画から学びました。また、外遊先では合計7回にもなる展覧会を開き、そこで得た収入を旅費に充てたといいます。

人物画や歴史画を描くことが多かった菱田春草ですが、この頃には風景画を手がけています。朦朧体で描く風景画は海外で高く評価されました。



1911年:36歳で腎臓疾患(腎臓炎)のため死去


帰国後しばらくすると、菱田春草は腎臓疾患からくる網膜炎を発症し、失明の危機に陥りました。症状は半年をかけて徐々に回復しするものの、3年弱で腎臓炎を再び発症します。

菱田春草は1911(明治44)年の9月、37歳の誕生日を目前にして、惜しまれつつこの世を去りました。

*飯田市 / 郷土が生んだ偉人 菱田春草


菱田春草の代表作品


菱田春草の代表作品のうち、国の重要文化財に指定されている作品を2つ紹介します。 いずれも東京都文京区にある永青文庫のコレクションですが、現在は熊本県立美術館へ寄託されています。

永青文庫公式HPはこちら 熊本県教育委員会公式HP内、熊本県立美術館紹介ページはこちら


黒き猫

菱田春草_黒き猫
出典元:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

柏の樹の上に座る猫を描いた『黒き猫』は、菱田春草が亡くなる前年に描いた貴重な作品です。第4回文展に出品されたもので、菱田春草はこの展覧会に出品するためにこの作品を5日程度で描きあげました。

この作品は上部に描かれた輝くような柏の葉と、下部に描かれた漆黒の黒猫の対比が大変美しいのが特徴です。菱田春草は他にも1906(明治39)年に描かれた『猫梅』や、1902年に描かれた『春日』、1910年に描かれた『柿に梅』など猫を描いた作品を数多く制作しました。

作品名黒き猫
作者菱田春草
制作年1910(明治43)年
技法絹本着色
サイズ縦150.4cm×横51cm
所蔵永青文庫(えいせいぶんこ)所蔵

*文化庁 / 国指定文化財等データベース / 絹本著色黒き猫図〈菱田春草筆/〉


落葉

菱田春草_落葉1 菱田春草_落葉2
出典元:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

雑木林の静けさを描いた『落葉』は、第3回文展において最高賞を与えられた六曲一双の作品です。網膜炎を発症した菱田春草は、療養のために東京の代々木に引っ越しました。そのときの自宅の周りにあった雑木林がこの作品の題材です。菱田春草は雑木林を描いた同名の作品を全部で5点制作しています。

この作品では背景を省略して幹と葉のみが描かれています。樹々や落ち葉の配置、遠くにいくにつれて薄くなっていく色彩の変化などによって奥行きが自然に表現されている点が特徴です。

作品名落葉
作者菱田春草
制作年1909(明治42)年
技法紙本着色
サイズ六曲一双 各縦157cm×横362cm
所蔵永青文庫(えいせいぶんこ)所蔵

*文化庁 / 国指定文化財等データベース / 紙本著色落葉図〈菱田春草筆/六曲屏風〉


菱田春草の作品を鑑賞できる美術館まとめ


今回ピックアップした東京藝術大学大学美術館、東京国立博物館、水野美術館、飯田市美術博物館、茨城県近代美術館、そして『黒き猫』や『落葉』が観られる熊本県立美術館は、いずれも菱田春草の名品が観られるおすすめの美術館です。

彼の出身地である長野県の美術館が多いですが、関東地方の東京都や茨城県などアクセスしやすい場所にもあるので、ご自宅から行きやすいところを探して足を運んでみるとよいでしょう。ぜひ美術館で菱田春草の作品を間近に観て、明治期における珠玉の日本画を鑑賞してみてください。



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