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舟越保武の作品を鑑賞できる美術館を紹介|代表作品も紹介

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舟越保武は、1912年に岩手県で生まれた現代彫刻家です。「考える人」で有名なロダンの著作を読み、彫刻家を志しました。実家では父親がカトリックの信者だったことや、彼自身もカトリックに帰依したことを背景に、キリスト教に関するテーマで彫刻作品を制作しました。1982年に脳梗塞に倒れて半身不随となったものの、晩年まで精力的に制作に励みました。

舟越保武の作品は国立近代美術館や山梨県立美術館といった美術館で鑑賞できます。また、彼にフォーカスした展覧会も何度か開催されています。



船越保武(ふなこし やすたけ)の作品が常設で鑑賞できる美術館・博物館を紹介


キリスト教をモチーフとした彫刻作品を数多く手がけた舟越保武ですが、彼の作品はどこで鑑賞できるのでしょうか。彼の作品を収蔵している代表的な美術館は、八戸市美術館、練馬区美術館、岩手県立美術館、国立近代美術館、山梨県立美術館となります。


八戸市美術館


八戸市美術館では、2022年に舟越保武にフォーカスした展覧会「舟越保武展 静謐の中に佇む」を開催しました。そこでは、彼の代表的な彫刻作品である「聖マリア・マグダレナ」や「チエコ」、そしてドローイングなどが展示されました。国内外のさまざまなアーティストの展覧会を開催する当美術館では、今後も舟越保武に関する企画展が開催されるかもしれません。

住所:〒031-0031 青森県八戸市番町10-4
アクセス:各線本八戸駅から徒歩約10分
営業時間:10:00〜19:00(入場は18:30まで可)
料金:入館は無料
※企画展観覧料は内容によって異なる
公式HP:https://hachinohe-art-museum.jp/


練馬区美術館


練馬区美術館では2015年に舟越保武にフォーカスを当てた展覧会「舟越保武彫刻展 まなざしの向こうに」を開催しました。代表的な彫刻作品のほか、初公開を含む多数のドローイングを展示し、舟越保武の生涯にわたる彫刻の仕事を振り返った展覧会となりました。近代絵画やアートを中心とした企画展を開催する美術館のため、今後も舟越保武に関する企画展が開催されるかもしれません。

住所:〒176-0021 東京都練馬区貫井1-36-16
アクセス:西武池袋線中村橋駅より徒歩3分
営業時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで可)
料金:企画展のみ開催。観覧料は内容によって異なる
公式HP:https://www.neribun.or.jp/museum.html


岩手県立美術館


岩手県立美術館は舟越保武の出身地である岩手県に所在するために、彼の作品を多く収蔵しています。「青い魚」「原の城」「LOLA」などが収蔵されています。常設展に展示されることも多いです。また、近代彫刻や舟越保武にフォーカスした企画展が開催される際に展示されるでしょう。

住所:〒020-0866 岩手県盛岡市本宮松幅12-3
アクセス:各線盛岡駅から岩手県交通バス『盛南ループ200』乗車、「県立美術館前」下車
営業時間:9:30〜18:00(入館は17:30まで可)
料金:一般:450円(団体は360円)
大学生:340円(団体は270円)
高校生以下は無料
※企画展観覧料は内容によって異なる
公式HP:https://www.ima.or.jp/


国立近代美術館


国立近代美術館では「原の城」「萩原朔太郎」「アザレア」「白鳥」「少女」といった作品が収蔵されています。常設展で時折展示されることがあります。また、近代彫刻関連の企画展が開催される際に展示される可能性が高いでしょう。

住所:〒102-8322 東京都千代田区北の丸公園3−1
アクセス:東京メトロ東西線竹橋駅1b出口より徒歩10分
営業時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで可)
※金・土は10:00〜20:00
料金:一般:500円(団体は400円)、大学生:200円(団体は200円)
※18歳以下は無料
※企画展観覧料は内容によって異なる
公式HP:https://www.momat.go.jp/


山梨県立美術館


山梨県立美術館では「EVE」という作品が収蔵されています。その他にはジャン=フランソワ・ミレーやギュスターヴ・クールベといった近代画家作品が多く収蔵されています。常設展で時折展示されることがあります。また、近代彫刻関連の企画展が開催される際に展示される可能性が高いでしょう。

住所:〒400-0065 山梨県甲府市貢川1-4-27
アクセス:
各線甲府駅よりバス・タクシーにて「山梨県立美術館」下車
営業時間:9:00〜17:00(入館は16:30まで可)
料金:
一般:520円(団体は420円)
大学生:220円(団体は170円)
高校生以下、65歳以上は無料
※企画展観覧料は内容によって異なる
公式HP:https://www.art-museum.pref.yamanashi.jp/



舟越保武の代表作品


ここでは、舟越保武の代表作品を紹介します。「26人聖人殉教者像」「聖クララ」「原の城」「ゴルゴダ」「ダミアン神父」など、どれもキリスト教を題材とした作品です。また、それぞれの作品からは静かな美しさが感じられるはずです。


26人聖人殉教者像


「26人聖人殉教者像」は、長崎県の西坂公園に設置された作品です。豊臣秀吉の時代にキリシタン禁止令発令に伴い、捕縛され十字架に架けられて処刑された26人の殉教者をモチーフとしたブロンズ像となっています。歴史が物語る生々しさや残酷さを感じさせる一方で、殉教者に対する舟越保武の優しさと弔いも感じる作品となっています。


聖クララ


「聖クララ」は、長崎の諫早石という砂岩を使った作品です。この作品は舟越夫妻がイタリアの聖フランチェスコ聖堂を訪れた際に回廊で見た修道女の顔をモチーフに制作したものです。気高く静かで落ち着いた修道女の面影が漂った作品となっています。また、厳かな雰囲気さえも感じられます。舟越保武はこの修道女に対してどのような想いを馳せたのでしょうか。


原の城


「原の城」は、キリシタン一揆で知られる島原の乱をモチーフに作られた作品で、特に印象深いのは目玉のない武者の彫刻作品となっている点です。前屈みになって呆然と立ち尽くす武者から漂う悲壮感、さらには畏怖さえも感じさせられます。1962年に舟越保武はモデルとなった舞台である長崎の城を訪れました。討ち死にした兵士への鎮魂歌とも思えるような作品です。


ゴルゴダ


「ゴルゴダ」は、1989年に制作されました。1982年に脳梗塞で倒れた舟越保武は、半身不随になってもなお精力的な活動を続けました。彼の彫刻に対する想いが伝わるほどに、片手で作った彫刻はゴツゴツとしておりアンバランスさを感じさせます。粘土で作られたこの作品は、人間の「手」という存在の迫力を実感します。


ダミアン神父


「ダミアン神父」のモデルとなったのは、ベルギー出身の神父ダミアンです。ダミアンは宣教師たちに敬遠された島のハンセン病の隔離施設に行き、その地で患者に尽くしながらも自身もハンセン病となりました。舟越保武は病気となったダミアン神父をモデルにした作品を制作し展示したところ、人権侵害を引き起こすと抗議され撤去が求められました。この作品は表現の自由について考えさせられる作品となり、話題を呼びました。



舟越保武の作品の世界観


舟越保武は大理石をメインとした彫刻家で、中学生の頃より彫刻家のロダンに影響を受けています。しかし、ロダンのみならず、ムーア、アルプ、ジャコメッティといった新しい傾向の彫刻家にも影響を受けたほか、イタリアのルネッサンスやフランスのゴシック彫刻にも感銘を受けています。彼の造形に関する幅広い関心が、抽象的な作風に大いに影響を与えています。そして何よりもカトリックの洗礼を受けているために、キリスト教を題材とした作品を数多く残しています。

また、作品を通して静かな美しさを感じさせるのも特徴です。優美、端整と評される女性像や気高い精神を表す聖人像からは舟越保武の強かさや優しさが感じられます。

なお、舟越保武は1982年に脳梗塞を患って半身不随となりましたが、その後は粘土を使用したような迫力のある作品を制作しています。



舟越保武の略歴


舟越保武は1912年に岩手県に生まれた現代彫刻家です。父親が熱心なカトリック教徒であったことが後の彼の作風に影響しました。彫刻家ロダンにも感銘を受けて彫刻の道を志し、生涯を彫刻家として精力的に活動しました。


1912年:岩手県で生まれる


舟越保武は、1912年に岩手県一戸町に生まれました。父親は熱心なカトリック教徒で、そのことが彼の作風に影響しています。彼が生まれた明治から大正にかけての時代では、国をかけて欧米化を推進していました。そのために、キリスト教に関心を持つ日本人が増えていた時期です。

なかでも父親が信仰していたカトリックでは、日本人信者によるパリ外国宣教会の司牧体制に向けた批判活動が行われていたほか、知識人層を対象にした出版活動や青年運動が盛んでした。当時のカトリックは、知識層に受け入れられていました。


1920〜1930年頃:盛岡中学校で、同級生とともに絵画クラブに所属し大学へ進学。独自に石彫を学ぶ


1920年代の舟越保武は、盛岡中学校に入学後、同級生の松本竣介とともに絵画クラブに所属しました。彫刻家ロダンの記した「ロダンの言葉」に感銘を受け、彫刻に興味を持つようになりました。

その後、舟越保武は、昭和9年に東京美術学校彫刻科塑像部に入学したのち、彫刻の勉強を始めました。卒業後は柳原義達、佐藤忠良らと新制作派協会彫刻部創立に携わりました。その頃より石彫に取り掛かり、独自で技法を学びはじめました。


1945年:盛岡に疎開し県立岩手美術研究所で後輩のサポートをする


戦時中の1945年に、舟越保武は岩手県に疎開し、深沢省三・紅子夫妻とともに岩手県美術研究所で後輩のサポートをしました。

戦後となり、長男を生後間も無くして喪ったことをきっかけに家族全員でカトリックの洗礼を受け、それ以降はキリスト教を題材とした作品を数多く手がけるようになりました。なかでも第5回高村光太郎賞を受賞した作品「長崎26殉教者記念像」は、キリスト教の内容が顕著に表れています。この頃より彼の作品の世界観が徐々に明確なものとなっていきました。


1962〜1980年:東京藝術大学の教授に就任


1951年に舟越保武は東京に戻り、1962年から1980年までは東京藝術大学の教授として教鞭をとっていました。退官後も数々の賞を受賞し、1986年には同大学の名誉教授に就任しました。また、1981年には多摩美術大学教授にも就任しています。

教授として生徒をサポートするのみならず、作品制作にも精力的に取り掛かっていた舟越保武は、数々の賞を受賞しながらも現代日本の具象彫刻の第一人者として活躍していました。1987年に脳梗塞に襲われて右手の自由を失ってもなお、制作を続けました。


1983年:舟越保武は文筆の才能もあり「巨岩と花びら」で日本エッセイストクラブ賞を受賞


舟越保武は文才も兼ね備えており、昭和58年には著作「巨岩と花びら」にて日本エッセイストクラブ賞を受賞しました。他にも彼は様々な著作を残していて、そのひとつとして有名作品「長崎26殉教者記念像」制作にあたり父親への想いを綴った「断腸記」という作品があります。

舟越保武は脳梗塞をきっかけに半身不随になりながらも最期まで作品制作に励み続けました。1999年には文化功労者となり、2002年にこの世を去りました。



舟越保武についての豆知識(トリビア)


ここでは、舟越保武についてのトリビアをいくつか紹介します。彼の厳しくも優しいパーソナリティや彫刻家との姿勢、そして家族との関係についてを取り上げます。彼の持つ内面的な強さを窺い知れるでしょう。


舟越保武は厳しくも優しい他人を尊重する芸術家


舟越保武は厳しくも優しく、他人を尊重する芸術家だったようです。元々の性格もあるかもしれませんが、キリスト教のカトリック信者の父親のもとで生まれたためか、カトリックの教えを徹底して守っていたのかもしれません。

舟越保武のそのような厳しくも優しいパーソナリティは、彼の作品からも伝わってきます。キリスト教を題材とした彼の作品からは、世界を優しく見つめているようでもあり、どことなく厳しささえも感じさせられます。


舟越保武がメインに取り組んだ石彫で成果を残している芸術家は非常に少ない


舟越保武が自身のキャリアのなかでメインで取り組んでいた石彫において成果を残している近代彫刻家は非常に少ないのが現状です。さらに近代以前に遡っても石を材料とした日本の彫刻家は限られています。

舟越保武は東京美術学校在学中より石彫に関心を寄せていたようです。彼はロダンに影響を受けたものの、一辺倒にならずムーア、アルプ、ジャコメッティなどの彫刻家にも感銘を受けました。そのような幅広い関心が彼の作品をより奥深くさせています。


舟越保武の息子である舟越桂も芸術家


舟越保武の息子である舟越桂もまた彫刻家として現在も活動しています。彼の作品は、観音像のような神秘的で繊細な表情と、静謐で瞑想的な雰囲気を持つ木彫半身像が特徴的で、父親の舟越保武とはまた少し異なる特色を持ちます。

船越桂はドイツやイタリアにも数多くの作品を出展し、国内外で好評な彫刻家です。芸術分野で業績をあげた人に贈られる第59回文化庁芸術選奨文部科学大臣賞や紫綬褒章を受賞するなど、彫刻家として精力的に活動しています。



舟越保武の作品は獏にて買い取り強化中


舟越保武は、日本では珍しい石彫で成果を残した彫刻家です。自身がキリスト教信者であったために、キリスト教をモチーフとした作品を数多く残しています。また、彫刻家としての才能のみならず文筆の才能もあり、エッセイなども記しています。

当店では現在舟越保武作品の買取を強化しています。アート作品は価値の判断が難しいため、スタッフが念入りに査定いたします。また、絵画だけでなく、骨董や茶道具など幅広く買取いたします。買取の流れや買取実績、ご不明点などございましたらお気軽にお問い合わせください。

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