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流政之の作品が鑑賞できる美術館を紹介|代表作品や世界観も解説

流政之は、1923年に長崎に生まれたアーティストです。戦後間もない時期より独学で彫刻を勉強し始め、1960年代には渡米してアメリカで活躍しました。TIMEにて日本を代表する文化人として選ばれたほど優れた作品を残しています。

独特の造形が特徴的な作風となっているほか、官僚や実業家、文人としても活躍した父親の影響もあるのか、歴史や文化への造詣が深く、奥行きのあるメッセージ性を伴った作品を数多く残しています。権威主義やアカデミズムを嫌い独自の哲学を貫いた流政之の作品は異彩を放っています。



流政之の作品が常設で鑑賞できる美術館・博物館を紹介


権威主義やアカデミズムを嫌い、独特な作風で国際的に活躍した流政之ですが、彼の作品はどこで鑑賞できるのでしょうか?彼の作品を収蔵している代表的な美術館は、流政之美術館、サンフランシスコ近代美術館、秋田市立千秋美術館、北海道近代美術館、MIHO MUSEUMです。


流政之美術館


流政之美術館は、彼の自宅兼アトリエを改装したミュージアムとなっています。1966年から晩年までを彼はここで過ごしました。彼の哲学や作品を一挙に知れるミュージアムです。彼が生きていた頃の雰囲気をそのまま残しているため、肌感覚で作品を感じられるでしょう。ファンならば是非行くことをおすすめする場所です。

住所:〒761-0130 香川県高松市庵治町3183-1
アクセス:
高松空港からタクシーで約1時間、高松駅からタクシーで約30分
営業時間:木・金・土 1日2回の定員制10:30〜 13:00〜(各60分)
料金:
一般:5000円
大学生以下:2000円
中学生以下は無料
公式HP:https://nagarestudio.jp/


サンフランシスコ近代美術館


サンフランシスコ近代美術館には「Mind of Mind」や「Study for Transcendence」が収蔵されています。同館には20世紀以降のモダンアートを中心にヨーロッパの絵画や彫刻、デザインに関する作品が収蔵されています。戦後間もなくアメリカで活躍した流政之は世界的に著名な日本人です。近代彫刻に関する展覧会が開催される際には展示されるかもしれません。

住所:151 3rd St, San Francisco, CA 94103
アクセス:
ミュニメトロ、バート モンゴメリー(Montgomery)駅より徒歩4分
営業時間:10:00〜17:00
※木曜日は13:00〜20:00
料金:25ドル
公式HP:https://www.sfmoma.org/


秋田市立千秋美術館


秋田市立千秋美術館には「どさ、さきもり」という作品が収蔵されています。この作品のタイトルの「どさ」とは「どこへ」といった意味を示す秋田弁です。また「さきもり」シリーズの中の1作品となっています。同美術館では秋田県をテーマにした作品を数多く収蔵しているため、秋田県にフォーカスを当てた展覧会が開催される際に展示される可能性が高いでしょう。

住所:〒010-0001 秋田県秋田市中通2-3-8
アクセス:
JR秋田駅西口から徒歩5分
営業時間:現在改修のため長期休館中
料金:現在改修のため長期休館中
公式HP:https://www.city.akita.lg.jp/kanko/kanrenshisetsu/1003643/index.html


北海道近代美術館


北海道近代美術館では「おくのあきま」「雲の砦Jr.」「ナガレバチ」「サキモリ」といった作品が収蔵されています。また、同館では2004年には流政之にフォーカスした展覧会も開催しています。北海道との関連が深いアーティストのため、再び彼に関する企画展が開催されるかもしれません。

住所:〒060-0001 北海道札幌市中央区北1条西17丁目
アクセス:
地下鉄東西線西18丁目駅から徒歩5分
営業時間:9:30〜17:00(入場は16:30まで)
料金:
一般:1300円(団体は1100円)
高大生:1000円(団体は800円)
※企画展観覧料は内容によって異なる
公式HP:https://artmuseum.pref.hokkaido.lg.jp/knb/


MIHO MUSEUM


MIHO MUSEUMには「ながれもん三度笠」が収蔵されています。同館では世界の辺境美術や日本文化にフォーカスした展覧会を多く開催しています。流政之は、戦後海外でいち早く活躍したといった意味でも、スピリチュアリティ溢れた作風でも有名です。近代彫刻に関する企画展が開催される際に展示される可能性が高いといえるでしょう。

住所:〒529-1814 滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300
アクセス:
JR琵琶湖線石山駅より帝産バスにて50分
営業時間:10:00〜17:00(入場は16:00まで)
料金:
一般:510円(団体は420円)
高大生:250円(団体は170円)
※企画展観覧料は内容によって異なる
公式HP:https://www.miho.jp/



流政之の代表的な芸術作品


ここでは、流政之の代表的な作品を紹介します。アメリカで活躍していた際に制作した「雲の砦」や、北海道の彫刻公園「ストーンクレージーの森」、そして戦死者を追悼する「サキモリ」「NEKINI KINSAI」を主に取り上げます。

雲の砦


「雲の砦」は、1960年代に流政之がアメリカにて制作した作品です。ニューヨーク世界貿易センタービル前の広場に設置された作品ですが、9.11テロの被害には遭わず無傷でした。重量感を持ちながらも浮遊感もあり、不思議なイメージを持たせる作品となっています。彼の独特な世界観を味わうことのできる作品といえるでしょう。


サキモリ


「サキモリ」は、瀬戸内海に浮かぶ粟島に設置された作品です。サキモリとは、その名の通り防人を示します。守り神のようにたたずみ、スピリチュアリティを感じさせる作品です。この作品は太平洋戦争末期に特攻隊が飛び立った詫間海軍航空隊跡地の対岸に設置されています。同時期にパイロットだった流政之からの、命を残された者からの、鎮魂や平和の願いを込めた作品ではないでしょうか。


ストーンクレージーの森


「ストーンクレージーの森」とは、2002年に北海道で開園した彫刻公園です。1万平方メートルの敷地内に流政之が制作した「もどり雲」「MOMO」「逢瀬の門」など彫刻が22点展示されています。豊かな自然が広がる中で、アミニズムを感じさせるような象徴的な彫刻が特徴的です。自然への畏怖を感じさせる作品となっています。


NEKINI KINSAI


「NEKINI KINSAI」とは、広島県の平和記念公園に設置されている作品です。この作品の「NEKINI KINSAI」とは「根際にきんさい(そばに来てください)」という広島の言葉で流政之の父親がよく使っていた言葉なのだそうです。抽象的なフォルムからは、なぜこの場所に設置されたのか、どうして彼がこの作品を作ったのか思いを馳せてしまいます。



流政之の世界観


流政之の作品の世界観は、独自のかたちを持つ抽象的な彫刻である点です。石材を使った彫刻作品では加工のためにできた割れ目をあえてそのままに残しておく「ワレハダ」といった独自の技巧を生み出していることが作品の特徴です。

また、このような素材を活かした独特の技巧の由来は、流政之の幼少期にさかのぼります。小学生時代に住んでいた東京・本郷にて、近所の湯島の職人と関わりがあり、そこでものづくりのセンスを吸収したことが影響しているでしょう。

官僚や実業家、文人といった多くの側面を持つ父親の存在により、文化的・国際的な素養があることも、流政之の作品を奥深いものにさせている理由といえるでしょう。



流政之の略歴


流政之は、1923年に長崎県に生まれた戦後活躍した彫刻家です。独学で彫刻を学び、1960年代のアメリカにて数多くの作品を残しました。また、TIMEでは日本を代表する文化人として名を連ねました。彼の死後は自宅兼アトリエが美術館としてオープンしました。



1940年代〜1950年代:戦後は日本全国を回り、独学で彫刻を学んだ


流政之は1923年に長崎県で生まれました。その後、東京の小学校に通っていましたが、その当時彼が住んでいた本郷が、彼の作風に影響を与えたことを自身の日経新聞の連載「私の履歴書」にて述べています。職人に囲まれて過ごした幼少期が、彼のアーティストとしての好奇心の芽生えだったのでしょう。

それから時は経ち大学中退後、海軍飛行科予備学生となり零戦パイロットとして終戦を迎えたのち、戦後は日本全国を放浪して独学で彫刻を学びました。


1963年:渡米し、作品である【受】はニューヨーク近代美術館の永久保存作品とされた


日本全国の放浪ののち、流政之は1963年に渡米しました。中でも作品「受」はニューヨーク近代美術館の永久保存作品として収蔵されています。彼が国際的に優れたアーティストであることがそのことからもうかがえます。

また、その後もアメリカにて活躍し、1967年にはTIMEより日本を代表する文化人として紹介されました。1966年より流政之は香川県にアトリエを作り始めてベトナム戦争をきっかけに日本に帰国しました。


2010年:晩年にも彫刻作品を世に発信


流政之はアメリカからの帰国後も精力的に活動を続け、香川県文化功労者となるほか、優れた彫刻家に贈られる中原悌二郎賞や、建築家に贈られる「吉田五十八賞」「長野野外彫刻賞」「鳥取県景観大賞」などを受賞しました。また、彫刻だけにとどまらず絵画作品や庭園作品も残しています。

1987年には日経新聞「私の履歴書」にて自伝を連載しました。晩年まで活動しましたが、2018年に老衰のため亡くなり、自宅兼アトリエである香川県高松市には「ナガレスタジオ 流政之美術館」が2019年に開館しました。



流政之に関するトリビア(豆知識)


ここでは、流政之に関するトリビアについて紹介します。父親が立命館大学の設立者であり、強大なバックグラウンドがあることが彼のアーティストとしてのキャリアを助けてくれました。また、海外でも活躍し「Samurai Artist」といった異名を持っています。


流政之の父は立命館大学の設立者中川小十朗


流政之の父親は立命館大学の設立者・中川小十朗です。中川小十朗は戦前の政治家で、実業家でもありました。また、文人としての名も持っています。女子教育の強化に注力したことで知られており、文芸雑誌「以良都女」では女子教育について述べています。

中川小十朗は立命館大学を設立後、1910年代には台湾銀行副頭取に就任します。その最中に妻(流政之の母親にあたる)と出会い、結婚しました。流政之との関係では、長年父親より絵画を反対されており、彼自身絵画を断念せざるを得なかったのですが、後年絵画作品も残しています。


Samurai Artist の異名を持つ流政之


流政之は「Samurai Artist」という異名を持っています。このことからも彼が国際的に評価されていたことがわかります。彼は第二次世界大戦後まもない1960年代に渡米し、アメリカで著名作品を手がけました。彼はアメリカにて最も早くに成功をおさめた日本人アーティストといっても良いでしょう。

防人を語源にした作品「サキモリ」やアイヌをテーマにした「ピリカ」を残し、日本の歴史や文化を国際的に知らしめたアーティストのひとりです。歴史作家の司馬遼太郎は彼を「流転する影のようでもある」と評しています。既成概念や評価にとらわれず、独自の道を貫くアーティストでした。



流政之の美術作品は獏にて強化買取中


流政之は、戦後まもない1960年代にアメリカで活躍した日本人アーティストです。権威主義やアカデミズムを嫌い、独特の作風で国内外から注目を集めました。彼の哲学は作品の随所に表れていて、造形だけでなく歴史や文化に精通した奥深い作品であることも特徴です。

当店では現在流政之作品の買取を強化しています。アート作品は価値の判断が難しいため、スタッフが念入りに査定いたします。また、絵画だけでなく、骨董や茶道具など幅広く買取いたします。買取の流れや買取実績、ご不明点などございましたらお気軽にお問い合わせください。

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