榊莫山の日本画・掛軸の買取価格とポイント

榊莫山
1926〜2010年 三重県生まれ。
1938年に上野中学校に入学し、松永楳園や佐々木四郎に師事する。1943年に上野中学校を卒業し、三重師範学校に入学するが、学徒出陣で徴兵される。
1945年に鹿児島で敗戦を迎え、三重に帰郷する。京都大学文学部の聴講生として美学を井島勉に学ぶ。1946年に奈良国立博物館の第1回正倉院展を観て感動し、奈良在住の書家・辻本史邑に入門する。1951年に日本書芸院展で推薦一席(最高賞)を受賞する。翌年も同賞を受賞する。1958年に辻本史邑の死去を機に日本書芸院や奎星会を退会し、書壇から離れる。自身で「山径社」「墨象展」などの団体を立ち上げる。
1971年に大阪成蹊女子短期大学教授となる。その後近畿大学文芸学部芸術学科教授も務める。1989年に宝酒造の「よかいち」のテレビCMに出演し、「バクザン先生」の愛称で知られるようになる。その後も多くのテレビ番組やドラマの題字などを手掛ける。2010年に急性心不全のため84歳で亡くなる。

買取ポイント

榊莫山の作風

榊莫山は日本の書道家で、昭和時代を代表する書家の一人として知られています。彼の作風は、「神秘的」「力強い」「モダン」などの形容詞で表される場合があります。
榊莫山氏は、書壇から離れた後、漢字の持つ根源的イメージを新しい造形感覚で表現した前衛的な書や、詩書画三絶を理想とした独自な書画世界を創っています。
独特の力強さと荘厳さがあり、文字の持つ力強いさや美しさを最大限に引き出しています。また、彼の書は、直線的な構成工夫と曲線的な流れをうまく融合させることで、力強さと優美さを明らかにしています。
例えば、「土」「女」「花」「母」などの漢字を大胆に変形し、抽象的な図形として描いた作品や、「水碧沙明」「積薪」「至楽」などの詩句や俳句を自らの画風で表現した作品があります。また、自然に着想を求めた素朴な画に自作の詩を添えた「詩・書・画一体」の作品も多く制作しています。その中には、「小鳥ガクワエテキタ夢」や「柱時計ハ」などの不思議なタイトルもあります。榊莫山氏は、伝統的な書道とは異なる自由で斬新な表現方法で、書とアートを融合させた先駆者と言えます。
また、書に現代的なアプローチを加えたことでも知られています。グラフィック的な要素を取り入れたり、色彩を用いたりすることで、新しい表現方法を模索しました。
榊莫山の作品は、書道界に大きな影響を与えました。彼の力強く美しい書は、多くの書道家やアーティストたちに影響を与え、今なお多くの人に愛されています。

榊莫山の現在の評価と価値

榊莫山の現在の評価と価値は、書道界だけでなく、前衛美術や商業デザインなどでも高く評価されています。彼の作品は、日本だけでなく海外のコレクターからも注目されており、買取市場では数万円から10万円以上まで幅広い価格帯で取引されています。掛け軸や書画だけではなく元永定正とのコラボレーション作品なども評価されています。また、彼の書いた題字やロゴが使われたテレビ番組や商品も人気があります。
書道の作品には、日本の文化や伝統的な美意識が反映されているため、日本文化を愛する人々からも高い評価を得ています。
さらに、榊莫山は、書道の分野において、新しい表現方法や書道の可能性を拡張するための先導者でもあります。彼の書道に対するアプローチは、現代美術の視点からも高く評価され、書道の枠を超えた芸術としても評価されています。
総じて、榊莫山は、日本の書道界において大きな足跡を残した重要なアーティストであり、彼の作品は、現在でも高い評価と価値を持ち続けています。


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榊莫山の作品

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