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2020年01月23日 [買取のポイント]

絵画・美術品のオークションってメリットある?おすすめ会社や出品の相場を解説

オークション風景

最初に


オークションと聞くと、どのようなイメージを抱くでしょうか?ヤフオクなどのインターネットオークションを想像する人もいれば、クリスティーズの様な紳士淑女が集う舞踏会のような会場を想像する人もいるでしょう。オークションといっても様々な種類があります。
このブログでは、オークションとは何か?そしてオークションを運営する国内外の会社を簡単に紹介させていいただきます。絵画・美術品の買取を専門にやっている立場として、オークション会社は競合他社になるため、詳しく紹介したくないです。しかしながら、美術品の売却を検討している方に納得した方法を選んでほしいため、赤裸々にメリットとデメリットを紹介します。

そもそもオークションとは?


オークションとは日本語で競売です。これまで様々な競売方法が生み出されてきましたが、現在最も一般的なのはシングル・オークションのイングリッシュ・オークションと呼ばれるものです。
シングル・オークションとは、売り手または買い手の一方のみが価格を提示する方法で、主に買い手が金額を提示しています。
イングリッシュ・オークションとは、入札する買い手側が価格を釣り上げて、最終的に最も高い金額を出した者が落札するシステムです。みなさんに馴染み深いヤフオクも同様の形式で、美術品専門のオークションも上記方法を採用しています。

カタログ

オークション会社とは?


オークション会社(オークションハウス)は売りたい人と買いたい人をマッチングさせる場所になります。売る方も買う方も個人の方・業者を問わず会員登録さえすれば誰でも参加できます。
ヤフオクなどのインターネット上のオークションと大きく異なる点は『カタログ』や『入札方法』でしょう。

まず一つ目の特徴はカタログ制作です。
画集のように売りたい人の作品を1冊の本にまとめ、作品の詳細や落札予想価格(エスティメイト)などの情報が記載されています。各ジャンルのプロフェッショナルが市場の動向や過去の実績等を考慮して適正と思われる相場を記しています。そのため業界の動向に精通していない人でも安心してオークションに参加できるようになりました。はるか昔のオークション会社は落札予想価格の記載が無く、相場を知らない人は参加資格無しというスタンスだったそうです。

二つ目の特徴は入札方法です。
インターネットオークションの代表格はヤフオクでしょう。ヤフオクはインターネット上で商品の売買ができ、入札できる期間は数日間(出品者の意向による)あります。
美術品オークションは開催日の2〜3カ月前から出品者より作品を預かります。集めた作品をカタログにまとめて2〜3週間前に配布し、開催日の2〜3日前からプレビューが行われます。プレビューで現物を確認できるのも特徴の1つです。オークション開催日には会場に関係者を呼び、購入希望者はパドル(番号が書いてある札)・電話・事前入札などの方法で購入希望価格を提示していきます。1つの作品に使う時間は数十秒です。買えるかどうか、売れるかどうかの勝負は一瞬で、非常にスピーディーです。
高額作品になればなるほど会場の雰囲気が変わり、独特な緊張感が出ます。素晴らしい金額で落札されると拍手が巻き起こり、会場が一体化し独特な雰囲気に包まれます。その場に巡り合った高揚感は忘れることは出来ません。美術品の価値は楽観的な決め方ではありませんが、人々の野心や競争心によって価値を大きく膨らませることができます。出品する側も、落札する側もオークションの終了を告げるハンマーの音を聞くまで落ち着くことができないでしょう。

メリット デメリット

オークション会社のメリットは5つ


メリットは<現物を確認できる>・<専門家の意見が聞ける>・<安心安全>・<手間が掛からない>・<相場以上の売却額>でしょう。買い手と売り手に分けて順に説明していきます。

現物の確認ができる(買い手)


オークションは1〜2日に分けて開催され、開催日の2〜3日前から現物を確認できます。オークション会社の担当者がコンディションレポートという作品状態を記したデータを開示していますが、文章で確認するのと現物を見るのとでは感じ方が異なります。高額作品に関しては確認した方が良いので、現物を確認できるのは重要なメリットです。ただ、現物を確認できなかったとしてもダメージの有無に関しては信頼しても大丈夫です。オークション会社は売り手や買い手にとって中立な立場なので、正しく状態を記す義務があり、偽りのない情報と言えます。

専門家の意見が聞ける(買い手)


オークション会社にはそれぞれのジャンル(絵画・陶磁器・骨董・古美術・西洋アンティーク・ジュエリーなど)に合わせて専門家(海外ではスペシャリストと呼ばれています)がいます。絵画・美術品を購入する上で換金性は気になるポイントのため、市場の動向・作品の重要性・作品の評価などを聞きながら入札することができるのは大きなメリットでしょう。オークション会社のスタッフは良きアドバイザーのため、不安な点があれば積極的に相談可能です。

安心・安全(買い手)


真贋に関してはオークション会社が責任をもって対応しています。既に亡くなっており、高い相場を維持している作家は鑑定機関が設けられているため、鑑定が必要な作家は鑑定書を取得してから出品されています。鑑定機関が無くても責任を持って出品の有無を判断しているため、安心して入札が出きます。残念ながらインターネット上のオークションサイトには贋作も出回っているため、美術品専門のオークション会社は安心して購入することができます。

手間が掛からない(売り手)


売却希望の方はオークション会社が提案する落札予想価格に納得すれば、あとはすべての作業を行ってくれます。その分費用はかさみますが、待っているだけで入金されます。出品することが前提ですが、鑑定に関してもオークション会社が代行で手続きをしてくれます。海外作家の場合は個人で鑑定を取ろうとすると非常に煩雑で面倒なので、鑑定代行は大きなメリットです。
また、高額作品に関しては来歴や美術史に与えた影響など、なぜ価値がある作品なのかを分かりやすく証明するような文章も書いてくれ、より高く売れるように動いてくれます。オークション会社は売り手のために、より魅力ある作品にしようと努力を惜しみません。

相場以上の売却額(売り手)


オークションの性質上、欲しい人が2人いればそれぞれの予算に達するまで金額は上がり続けます。現実にはオークション会社が提案する落札予想価格内に収まることが多いですが、希少で需要がある作品は予想価格の何倍かで落札されることがあります。オークショニア(競売人)はより高く売れるように会場を盛り上げてくれます。

オークション会社のデメリットは4つ


デメリットをあげるのであれば、<手数料が高い>・<時間がかかる>・<目垢がつく>・<落札されるとは限らない>の4つです。

手数料が高い(売り手・買い手)


ヤフオクは売る方だけですが、美術品オークションは買う方も手数料の支払いが必要です。国内のオークション会社の一例ですが、落札金額の15%+消費税(計16.5%)に設定している所が多いです。例えば、落札金額が100万円だとすると両者から16.5%の手数料を徴収するため、オークション会社は約33万円の収入になります。カタログの制作や人件費を考慮すると妥当な金額かと思いますが、手数料のパーセンテージをどのように感じるかは人それぞれでしょう。

時間がかかる(売り手)


これは売却側のデメリットですが、絵画・美術品を売りたいと思ったタイミングから現金化できるまでの期間が3〜4カ月程必要です。美術品買取専門業者は鑑定書の取得などの例外を除けば即日現金決済の所が多いため、それと比べると長くて早急に換金したいという方に適さない売却方法です。あと、買い手の入金を確認した後で支払われますので、買い手が支払わないと取引が流れてしまいます。基本的にはオークション会社が落札金額を負担することはありません。

目垢がつく(売り手・買い手)


これはメリットの側面もありますので判断が難しい所です。目垢とは、作品がいろんな人に見られ、データとして残る事です。なぜこれがデメリットかといいますと、オークションで販売するとデータが残ります。そのデータが残ることにより作品評価の基準が作られ今後の評価に影響します。裏をかえせば出品履歴が真作の根拠にもなるメリットもあります。これは立場によってメリット・デメリットの判断が分かれますが、ある程度高額な作品にしか影響はありません。

落札されるとは限らない(売り手)


メリットで落札金額は青天井と述べましたが、その反対に欲しい人がいなければ不落札になります。そうなると出品料だけ支払い、作品が返却されます。残念ながら費やした時間が無駄になってしまうでしょう。落札予想価格はオークション会社とマーケットの動向を考慮して決定しますが、必ずしも予想通りにいくわけではありません。相場よりも低い金額で設定すれば不落札のリスクを抑えることができますが、相場以下の金額で落札される可能性も出てきます。オークションはメリットばかりではないと理解する必要があります。

メルカリはオークションではなくフリーマーケットスタイル


飛ぶ鳥を落とす勢いで成長しているメルカリはヤフオクに似ていますが根本的に異なるビジネスモデルです。ヤフオクもメルカリも、個人と個人を繋げることにより発生しました。両者とも『売り上げに対する手数料』がメインの売上ですが、オークション形式とフリーマーケット形式で売上金額の決定方法が異なっています。
フリーマーケット方式とは出品者(売りたい人)が希望売却価格を決めます。その金額で欲しい人は購入しますが、値段交渉もできますので希望購入金額の提案とかもできます。手軽な操作方法と売却率の高さが人気の秘密ではないでしょうか。流通量が安定していて相場が見えやすいものや安価な商品がフリーマーケット形式に適していると思います。反対に高額商品や相場が見えにくいものはオークション形式が適しているでしょう。

サザビーズ

海外のオークション会社について


美術品のオークション会社といえばクリスティーズとサザビーズでしょう。世界中には様々なオークション会社が存在しますが、上記2社で世界美術品競売市場の約90%を占めているのが美術品オークション界の現状です。2社で寡占状態といえます。クリスティーズの年間落札総額は約7,613億円(2018年度)でした。2019年上半期の世界オークション売上高が約6,000億円なので影響力は一目瞭然でしょう。近年では中国のオークション会社が台頭していますが、しばらくはクリスティーズとサザビーズの独壇場になるのではないでしょうか。

簡単に歴史を見ていきましょう。1744年にサザビーズがイギリスで創業しました。遅れる事22年の1766年にクリスティーズもイギリスで誕生しました。サザビーズが世界最古のオークション会社と言われ、クリスティーズが世界最古の美術品オークション会社と言われています。どちらも長い歴史があり、富の象徴ともいえる存在です。メインセール呼ばれる一級品の作品を集めたセールは、華やかな雰囲気で一流のコレクターが集います。動く金額も一流です。一晩に数百億円程動くセールもあります。
日本からも出品できますが、落札手数料・カタログ掲載料・運搬料などを考慮すると最低でも数百万円〜1000円以上で落札される作品ではないと、日本国内で売った手取りの方が高いケースもあります。

国内オークション

国内のオークション会社について


日本国内の代表的なオークション会社は、毎日オークション、シンワアートオークション、SBIアートオークションではないでしょうか。当然ですが世界のオークション会社と比べると取扱高は低くなりますが、その分手の届きやすい作品も多く出品されているのが特徴です。各オークション会社により特徴が異なりますので、簡単に説明させていただきます。

毎日オークション


近年の年間落札総額は約83億円(2019年度)
オークション回数は年間30回前後で、取扱品目も近現代の絵画(油絵・日本画・版画)、陶磁器、茶道具、西洋アンティーク、ジュエリーと幅広く網羅されています。開催頻度も高く、数万円台の作品も多く、取り扱い実績も豊富なため、初めてオークションで売買する方には適しているでしょう。年に数回行われるメインセールでは希少な高額作品を厳選して出品していますので、近現代の良質な作品も手に入れやすいです。

シンワアートオークション


近年の年間落札総額は約45億円(2019年度)
オークション回数は年間20回前後で、取扱品目は毎日オークションと殆ど同じですが、ワインや漫画などのセールが開かれているのが特徴です。また2000万円以上の高額作品取扱数は国内有数で、高額作品の取り扱いが得意とされています。また、国内のオークション会社では唯一上場している点が大きなポイントです。オークションを指揮する競売人がタキシードを着用し、クリスティーズ・サザビーズの様な高級感が見受けられます。

SBIアートオークション


近年の年間落札総額は約32億円(2019年度)
昨年は年5回と開催回数は少ないながらも1回のセールで4〜9億円程のセールを記録しています。国内外のコンテンポラリーアートを中心に取り扱っており、落札率も高くクオリティが高い内容を維持しているからこその落札結果です。新進気鋭の作家も多く、アートフェアを見ているかのような楽しさがあります。

疑問

オークション会社の選び方


オークション会社は自社で在庫を持たず、売りたい人と買いたい人をマッチングさせるサービスです。ヤフオクのようなインターネット上のサービスとは異なり、カタログを作る、会場を借りて競売をする、作品発送等の雑務を請け負う、等で付加価値を付けています。個々人によって優先順位は異なりますが、売る側と買う側を分けて考えてみます。

売る側(出品者)


自分が所有している作品の価値を知りたくないと思う方は少ないでしょう。マーケットが日本国内だけで、バブル期に購入している作品は落札予想価格を聞いて憤慨するかもしれません。その金額を現実として受け止めるには時間が必要だと思いますが、それ程までに評価が下がっている作家・作品が多いのが現状です。
ちなみに、美術品を手放す理由は3Dと言われて、3Dとはdeath(死)、divorce(離婚)、debt(負債)の頭文字を取ったもので、
欧米社会では一般的な手放す理由とされています。

オークション会社を通じて売却しようとする方の多くは、少しでも値段が高く、オークションの高揚感が楽しい、売却の手間をかけたくない、などの理由が挙げられると思います。
注意すべき点は、オークション会社にも作品の向き不向きが存在します。
例えばSBIアートオークションはコンテンポラリーアートが得意ですが、そこに骨董・古美術の依頼をしても価値があるものだとしても困惑されるでしょう。
それぞれのオークション会社の特色に合わせて選ぶ必要があります。
ジャンルに関して、コンテンポラリーアートならSBIが良いかと思います。それ以外の絵画・版画・骨董・古美術等は毎日オークションでもシンワアートオークションで殆ど網羅されるので、ジャンル以外の点で判断する必要があります。早く換金したいならば開催数が多い毎日オークションがいいでしょう。2000万円以上の高額作品をお持ちであればシンワアートオークションの方が適しているかもしれません。

買う側(購入者)


美術品を購入する目的は鑑賞用・資産性・社会性などの理由に分けられます。2000年以前は絵画・美術品の購入場所は百貨店や画廊に限られていましたが、近年はオークションの認知度も高まり、出品数も増えてきたため購入する選択肢の1つになりました。
百貨店・画廊・オークション会社のどこで購入しても真贋等の安全性は担保されていますので、あとは欲しい作品があるかどうかで判断するのが良いでしょう。購入金額に関しては、デパートなどと比べるとオークションで購入した方が割安で購入できる傾向です。基本的に油絵や日本画等の一点ものとの出会いは一期一会なので、タイミング次第というところでしょうか。

まとめ


日本国内のオークションは、世界に比べても歴史は浅いですが、美術品を流通するうえでは無くてはならない存在です。オークション会社も一長一短ですが、美術品売買の裾野が広がったのは事実です。市場が活発になるには新しいコレクターが必要ですし、美術に関わる人の努力も必要です。絵画・美術品買取業者の立場からするとオークション会社は競合他社になりますが、切磋琢磨して美術業界自体を盛り上げていきたいと思います。
売りたい方のみになりますが美術品買取業者はオークション会社とは異なるメリットが沢山あります。選択肢の一つとしてご相談いただければ嬉しいです。



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