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2020年01月20日 [美術館の常設展・企画展]

東京国立近代美術館の企画展<窓をめぐるアートと建築の旅>と常設展。通称MoMAT。

案内図
東京国立近代美術館 外観
★日本の国立美術館は6館
東京国立近代美術館は1952年(昭和27年)に日本で最初の国立美術館をして開館しました。現在、日本にある国立美術館は全部で6館です。京都国立近代美術館(京都市)、国立西洋美術館(上野)、国立国際美術館(大阪市)、国立新美術館(六本木)、国立映画アーカイブ(京橋)があります。東京国立近代美術館は開館当初は京橋にありましたが、現在は東京都千代田区北の丸公園にあり、東京メトロ(東西線)竹橋駅が最寄り駅です。駅構内にも案内図や企画展のポスターが飾られていました。
竹橋駅構内
竹橋駅構内企画展
近現代の美術・工芸作品と関連資料の収集・保存・研究など多岐に渡って活動しています。日本で最初の国立美術館という名に相応しい圧倒的なクオリティで、美術品買取業者としての立場から美術館には行く機会が多いのですが、展示内容から展示会場まで日本近代美術の本丸と呼んでもよいでしょう。
東京国立近代美術館 内観
今回は2019年11月1日〜2020年2月2日の期間で開催されている企画展<窓をめぐるアートと建築の旅>を鑑賞しに行きました。最寄り駅構内にも案内図があり、とても行きやすかったです。
企画展も素晴らしかったのですが、常設展のクオリティの高さに度肝を抜かされました。企画展と常設展に分けて紹介させていただきます。
建物
★企画展<窓をめぐるアートと建築の旅>について
企画展はキュレーターの力がダイレクトに反映すると思います。特にフェルメールやムンクなど特定の作家(2019年度の来場者数の上位を占めていました)は、その作品を借りる難しさがあるかと思います。一級品の美術作品を日本国内で鑑賞できるのは、文化や教養の向上に役立ち、純粋に感動を与えてくれます。
しかしながら、限りある予算の中でテーマ性を持った展示は作品本来のパワーのみならず企画者の力が大いに反映されます。個人的には企画者の想いが見て取れる内容でした。
今回のテーマは<窓>です。窓は文明であり、文化であるという思想のもと、窓研究所が取り組んできた窓額を、10年を超える研究に基づき五十嵐太郎氏と東京国立近代美術館のキュレーションによって実現されました。
<窓>というキーワードを軸に多様なテーマをもった作品が美術館に集約され、鑑賞者に作品と言語の結びつき、美術史上の作品の立ち位置、芸術の広がり、など自由な芸術を提案できたのではないかと思います。古典的な芸術は、美しさ、自作、1点モノ、という3つの条件のもと定義されていましたが、1900年以降は新たな時代に入り、多様な芸術表現も市民権を得てきました。その流れを<窓>という当たり前に存在するモノを起点にして、芸術の多様性を形にしている内容でした。
企画展の中で印象的だったのは、インスタレーション(主に展示空間を含めた作品で、近年は映像作品や観客参加型作品などの広がりを見せる)作品です。岸田劉生、津田青風、マティス、クレー、ロスコ、ジョセフ・アルバースなどの近現代の作品も魅力的ですが、インスタレーションは美術の固定概念を覆してくれる作品でした。現代美術の特徴はコンセプトだと思っています。そのコンセプトを分かりやすく説明している作品も多く、美術史の流れや作家の知識が無い人でも十分に楽しめる間口が広い展覧会でした。歴史と文化を保護するだけでなく、新しいモノを広める美術館の大事な役割を体現していました。
ゲルハルト・リヒター
ゲルハルト・リヒター 説明
インスタレーションの中でも特に気に入った、ゲルハルト・リヒターの作品を紹介します。現存作家で最も影響力があり、注目を集めるドイツの作家です。8枚のガラスを、角度を変えて並べた作品です。実際に見てみると面白い発見があります。

★常設展について
東京国立近代美術館は初めてでした。美術商として約10年従事しておりますが、なかなか行く機会が無く、国立西洋美術館や国立新美術館で満足していました。
地方の美術館ですと、その地域に根ざした作家をメインに扱っていますので市場性が伴わない作家も中にはいました。美術館の評価基準は歴史や文化といった側面が強いので当然の結果だとは思いますが、国立美術館は歴史・文化・マーケットすべてを満たした作品群でした。その中でも今回行った東京国立近代美術館は日本人作家(洋画家・日本画家等)がメインに収蔵されており、作品のクオリティは別として市場でも良く名前を聞く作家の作品が多かったので、より楽しく鑑賞出来ました。

★常設展・展示作品
重要文化財がゴロゴロあり、日本の近代美術史がすべてこの美術館で完結するくらいの内容です。教科書やテレビなどで見る日本の近現代作品を多く収蔵されており、美術史を語るうえでは欠かせない佐伯祐三、古賀春江、藤田嗣治、中村彝などの作品には感動しました。作家のクオリティもさることながら、マスターピース級の作品が多く非常に勉強になりました。すべての作品について記したら終わりが無いので、個人的に好きな作家である<奈良美智>の作品だけ載せておきます。
奈良美智
★常設展・鑑賞空間
常設展は2階〜4階で構成されており、4階から順に下るごとに近代から現代へ向かう構成内容でした。
まず、感動したのが展示空間です。作品の展示は白壁で、適度に明るい空間であることが多いでしょう。しかしながら、国立近代美術館の一部エリアは壁の色や照明を暗めのトーンにしており、品格がある上質な空間を演出していました。また、椅子を多めに設置されており、ゆっくりと座って鑑賞できるようになっていました。私が伺った日は天候が悪かったせいか、鑑賞者は少なかったですが、混雑していても十分に座れるスペースがありました。
近代日本画のエリアには、畳の上で鑑賞できるスペースもあり外国人観光客からも好評ではないかと思いました。
日本画フロア
休憩室
★まとめ
百聞は一見に如かずで、一度は訪れてほしい場所です。私自身もなかなか訪れる機会が無かったのですが、早く行っておけば後悔しております。常設展に関しては、一般の方は500円のワンコインで鑑賞できます。(2020年1月現在)正直、格安です。
特に日本の近代美術史を俯瞰して楽しみたいなという方には最適な場所だと思います。


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