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2020年01月29日 [美術館の常設展・企画展]

東京都現代美術館 MOTコレクション第3期 いま―かつて 複数のパースペクティブ

MOT外観

★はじめに
東京都現代美術館(Museum Of contemporary art Tokyo 通称MOT)の常設展を見に行きました。
最寄り駅は東京メトロ半蔵門線/都営地下鉄大江戸線の清澄白河駅から10分ほどで、東京メトロ東西線の木場駅からも歩けるそうです。
美術館までの道のりは商店街になっており、古本屋さん、ご飯屋さん、パン屋さんなどが並び、道中も楽しめ、途中の古本屋さんで前から欲しかった荻須高徳の版画集を買えてうれしかったです。商店街を通り抜けると右手に今回の目的地である建物が目の前に表れます。

★簡単な歴史
東京都現代美術館は1945年以降の国内外の現代美術を体系的に研究、収集、保存、展示するために1995年に開館されました。東京の東エリアに位置し、銀座、秋葉原、両国国技館、東京スカイツリーなどの観光スポットが周辺にあり、利便性に優れている環境です。
館内の展示室も国内のでも有数の広さで、5400点の収蔵作品をメインに日々新しい試みをしています。六本木にある国立新美術館も広いですが、こちらは作品を収蔵している強みがあります。

オブジェ

★展覧内容
ミナ ペルホネン/皆川明 つづく
ダムタイプ|アクション+リフレクション
MOTアニュアル2019 Echo after Echo:仮の声、新しい影

今回は上記3つの企画と表題で挙げたMOTコレクション第3期の計4つ展覧会がありましたが、時間の都合上で常設展のみの鑑賞となりました。個人的に美術館の良し悪しは地力ともいえる常設展の内容で判断しています。地方の美術館とかは予算の限りがありますので高額作品をそろえることは難しいですが、コンセプトを明確にして体系的にコレクションしているかが重要だと思っています。東京都現代美術館は名前の通り、現代美術の収集・展示がメインです。そのコンセプトに則った内容かどうかが個人的な鑑賞テーマです。
コレクション内容は下記のように体系的に並べられていました。

1戦中・戦後の画家たち
1-1 オノサトトシノブ
1-2 末松正樹
1-3 コレクターの視点
1-4 中村宏、石井茂雄、池田満寿夫
1-5 浜田知明、荒木高子、秀島由己男
2ホンマタカシ、3mamoru、4オノ・ヨーコ

以上が1階の展示フロアでまとめられていました。

5岡本信治郎、6豊嶋康子、7モニール・ファーマンファーアイアンほか
8草間彌生、9宮島達男

以上が3階の展示フロアでまとめられていました。

宮島達男

最初の展示フロアには現代抽象画家のオノサトトシノブ(1912-1986)が1950年代の作品を中心に飾られていました。画面上で丸と線で表現する作品が代表的ですが、その作風にたどり着く前の1934年に描かれた作品が2枚あり、表現方法の変遷を楽しむことができました。百貨店や画廊でも鑑賞はできますが(販売員のプレッシャーを抜きにすれば)、作品を並べる基準は売れるかどうかになります。なので、百貨店などは作家の色が強く出ていて安定している晩年の作品が多くなりがちです。作品への表現方法を時系列で見る事ができるのは貴重な体験だと思います。

次のフロアは戦中美術でした。戦時中に有名作家へ課された仕事は、戦争を描くことでした。その為、東アジアを中心に日本軍とともに帯同し、生々しい記録をキャンバス上に表現してきました。
藤田嗣治、宮本三郎、向井潤吉などの有名作家の作品が展示されていましたが、どれも晩年の作風からほど遠く、戦争が芸術家に与えた影響の大きさを実感しました。当時の心境は当人にしか分からないですが、日本のためと熱意を持って描いていた作家もいれば、戦争画ではなく自分自身が描きたいものを作品にしたいなど、画面から様々な想いを感じました。
1-5では、浜田知明の代表作『初年兵哀歌』のシリーズを鑑賞出来き、戦争に対する強いメッセージや皮肉を感じました。このような形で戦争の無慈悲さを後世に残すのは美術品だからこそできることだなと思い、絵画・美術品の存在意義を教えてもらいました。
他には草間彌生の作品群や宮島達男の大作などがあり満足の内容でした。草間彌生で1つのフロアを使い立体作品を含めて16点の作品がありました。50年代と70年代の作品が多く、近年の作品との大きな違いを体感出来ました。2017年に国立新美術館で開催された『草間彌生 わが永遠の魂』では近年の作品群で構成されており、原色を多用したポップな色合いが印象的です。今回鑑賞した作品群とはまったく異なる表現方法で、作家自身の略歴を参考にして比較してみると楽しめます。
他にも有名作家だけではなく実験的な作品も多く見受けられ感性が刺激されました。

MOTコレクションは500円(一般料金)で、気軽に行ける金額です。アクセスも良く、観光や散歩ついでに寄りやすいです。常設展だけでも十分なボリュームですが、企画展もユニークで古典的なスタイルから一線を画すものが多い印象で、定期的に通って楽しめる美術館になりそうです。

カフェ

★最後に
美術館の空間や展示内容も良かったですが、個人的には2階のカフェが良かったです。
おいしいサンドウィッチとコーヒーでゆっくり過ごすことができました。広い鑑賞スペースなので、ゆっくり見ていても意外と疲れてしまいます。鑑賞した作品を思い出しながら休憩するには最適な場所です。




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