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具体美術協会〈GUTAI〉の買取評価や人気作家について

吉原治良
◯具体美術協会とは?

1954年に吉原次良の名の下に集まった芸術集団のことです。結成メンバーは17名で、最終的には約60名が参加しました。「具体美術協会」という名前は、精神が自由であることを具体的に提示するという理念から命名されました。
結成当初は嶋本昭三、山崎つる子、上前智祐でしたが、翌年に「0会」を作っていた白髪一雄、村上三郎、金山明、田中敦子など具体美術を代表する作家たちが加入しました。
50年代後半からはミシェル・タピエとの交流により日本アンフォルメルの代表的なグループと認識されて海外でも高い評価を得ました。1972年に吉原が亡くなるまで活動し、近年再評価されている芸術集団です。

具体に所属する作家で、市場に流通する作品の多くは絵画作品ですが、パフォーマンス、メディア、インスピレーションなどの自由な発想で制作活動を行なっていました。
美術史の側面は専門家に任せて、ここでは絵画・美術品の買取専門店としての立場から「具体」作家の評価を見ていきます。

具体美術協会の晩年は約60名まで参加人数が増えました。近年評価が高まってきていましたが、具体に参加した作家全員の市場価値が上がっているわけではありません。なので、現時点で評価が定まってきた作家を一部ピックアップして紹介させていただきます。

◯代表的な具体作家5選


・吉原次良(よしはらじろう/1905〜1972)

→具体美術協会の顔です。具体を代表する作家であり、具体の中で最も市場評価が高いです。禅における円相を彷彿とさせる作品が特徴です。それ以外の抽象的な作品も残していますが、円を描いた作品が最も人気があります。

現在の評価は、キャンバスに油彩で数百万〜1000万以上となります。作品の内容によって大きく変わる作家です。版画作品は数万〜10万円前後の買取が多いです。

吉原次良の作品は、大阪中之島美術館や東京国立近代美術館などで見ることができます。

・白髪一雄(しらがかずお/1924〜2008)

→兵庫県尼崎生まれで当初は日本画を学んでいましたが、後に洋画に転校しました。1955年に具体美術協会に参加し、吉原に追随する評価を得ている人気作家です。床に広げたカンバスの上に絵の具を置いて、天井からぶら下がったロープにつかまりながら裸足で描く手法が特徴です。抽象表現主義のアクションペイントを彷彿させます。

現在の買取評価は、キャンバスに油彩で数百万円代となり、需要の高さが見受けられます。版画でも数万円〜となります。

白髪一雄の作品は、練馬区立美術館、西宮市大谷記念美術館、静岡県立美術館、横浜美術館などで見ることができます。

・田中敦子(たなかあつこ/1932〜2005)

→大阪出身で1955年に具体美術協会に参加しました。具体での活動は1965年までの約10年間でしたが、退会後も精力的に活動して世界からも高い評価を得た女流作家です。
市場に残る作品の多くは絵画ですが、発表の場ではベルや電球などを使用したインスタレーションや造形物が特徴的です。絵画作品から田中敦子を知った人は表現方法の奥行きにビックリするかもしれません。

現在の買取評価は、キャンバスにアクリルで数百万円代となり、吉原や白髪と同じくらいの人気があります。版画でも数万円〜となります。

田中敦子の作品は、高松市美術館、滋賀県立近代美術館、東京国立近代美術館などで見ることができます。

・上前智祐(うえまえちゆう/1920〜2018)

→京都府生まれで、南画を学んだ後に洋画に転向しました。1950年に川崎造船所に入社し、60歳まで勤め上げた異色の作家です。1954年の具体美術協会に参加して抽象的な作品を作り続けました。

上前智祐の作品は、練馬区立美術館、徳島県立美術館などで見ることができます。


・元永定正(もとながさだまさ/1922〜2011)


→三重県生まれで高校卒業後に大阪の会社に就職しました。元々、漫画家を志しており、働きながら制作活動を続けていました。転機となったのは弟がいる兵庫県神戸市に居を移して吉原治良と出会った事でした。吉原の誘いを受けて1955年に具体美術協会に入会し、絵の具をたらして制作する作風が有名です。

現在の買取評価は、キャンバスに油絵で数十万円〜数百万円代となります。元永の作品は年代が重要となります。

◯具体美術協会で鑑定書が必要な作家

吉原治良、白髪一雄、元永定正のキャンバス作品を買取する時は、必ず鑑定書が必要となります。それはデパートやギャラリーで販売する際には鑑定書を付けることが一般的になっているからです。なので、購入の際に上記作家の原画作品に鑑定書が付いていない場合は、鑑定書の取得をお願いしたほうが安全かと思います。
鑑定機関は亡くなった作家すべてに設けられるのではなく、需要や金銭的な評価が高い作家に対して設けられます。値段が高い作家の方が贋作のリスクが上がるためです。


〇まとめ


具体美術協会は日本の美術史を語る上で、重要な出来事でした。代表的な作家を5人あげましたが他にも名坂有子、鷲見康夫、正延正俊、山崎つる子、金山明など重要な作家は多数います。買取の立場からすると知名度や功績だけではなく作品の流通量が担保されていないと相場が形成されにくいです。今後の動向が楽しみな芸術グループです。


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