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美術品と工芸品の違いとは?その線引きは非常に曖昧!

工芸品

はじめに

日常生活で「美術品」と「工芸品」を厳格に区別して使用している方は少ないのではないでしょうか。
私自身もこの世界に入るまでは両者を明確に理解して区別しておらず、せいぜい美術品は額縁に入った絵画全般の事を言っており、工芸品は熊の彫り物などのお土産品程度の認識でした。

ここでは美術品を専門で扱う業者がとのように区別しているかを紹介させていただきます。作品を売却する時に知っていると得する知識ではありませんが、雑学の一つとして見ていいただければと思います。

「美術品」と「工芸品」の定義は?

はっきりと申し上げると、明確な線引きは存在しません。
一般的には「美術品」は鑑賞を目的として作られ、「工芸品」は使用する目的として造られたとされています。言葉の違いは完成物の目的が異なる事です。
例えば普段使用している茶碗はご飯を入れて食べるためのモノです。このような使用目的があると工芸品と呼びますが、お茶碗を飾り棚に置いて鑑賞するために制作されたとすると美術品になってしまいます。
なので、販売価格が高いから美術品で安いから工芸品という事もなく、安くても鑑賞用に制作者が作ったものであれば美術品になりえます。当然ですが、美術品になったとしても市場価値が付与されるかどうかは別問題です。

結論、美術品と工芸品は作り手や購入者の使用目的によっていかようにも変わります。ただ、金銭的な価値が付くかは別問題です。金銭的な評価に関しては次で紹介させていただきます。

「工芸品」は美術品として扱えるモノとは?

民芸運動という活動をご存じでしょうか?焼き物が好きな方は聞いたことがある言葉だと思います。1926年に柳宗悦・河井寛次郎・浜田庄司らによって提唱された生活文化運動で、名も無き職人の手から生み出された日常の生活道具を「民藝(民衆的工芸)」と名付け、美は生活の中にあると語りました。各地の風土から生まれ、生活に根ざした民藝には「健全な美」が宿っていると、新しい価値観を提示しました。
民芸運動の当時は工業化が進み、大量生産の製品が少しずつ生活に浸透してきました。失われつつある「手仕事」の文化を案じ、物質的な豊かさだけでなく、より良い生活とは何かを民藝運動を通して追求したのです。
このような活動から日常使いの食器や花器を芸術作品と見る事ができるように価値観を変化させました。
現代アーティストの村上隆も同じような活動をしました。純粋芸術と言われる公的な美術館で飾られていた作品と、サブカルチャーと呼ばれるフィギア、アニメなどの文化を芸術の域まで引き寄せました。サブカルチャーも一部の人々の間では日常に根差した趣味の一つでしたが、同じ土台に純粋芸術を置くことによって、サブカルチャーと芸術の垣根を無くしました。

このように、時代の変動によりモノの価値観が変わります。特に現代は多様な価値観が認められていますので、昔ほど「美術」と「工芸」を分けて考える必要は無くなりました。

ただ、全国のお土産屋さんに置いてあるような大量に生産された工芸品が美術品となりえるかというと、簡単な話ではありません。大量に生産と言っても手仕事で作られた品物が多いかもしれませんが、装飾、造形、歴史などの様々な要素で高い評価を得たものではないと芸術作品にはなりえません。上で紹介したサブカルチャーも高い技術と熱心なコレクターの存在などの諸条件を満たしているから芸術として成立します。
種をまいて育てる人が重要ですが、種自身が良質ではないと大きな花は咲きません。

まとめ

以上のように美術品や工芸品は目的によって使い分けることが望ましいですが、マーケットの側面から考慮すると大きな違いはありません。美術品も工芸品も制作時の目的は違いますが、一級品しか市場では評価されません。市場で評価される基準は様々な要因が積み重なった結果なので一概には言えないですが、良い品物が、良い人にわたることではないかと思います。
私たちは美術品・工芸品のすべてを評価できる訳ではありませんが、良い作品は良い評価をして次世代の良いコレクターへの橋渡しを少しでも増やしたいなと思います。



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