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絵画・美術品のニセモノ・ホンモノについて|ニセモノはすべて悪?

鑑定について

はじめに

美術品はブランド品のようにニセモノが存在します。
一般的な解釈ですと、ニセモノは市場価値が高い商品でしか作られません。制作の目的はブランド価値を借用して他人を騙し、利益を貪るためです。現在出回っているブランド品のニセモノは非常に精巧に作られているそうで、熟練の査定士でも判断が付かないケースもあるそうです。個人的にはその技術力を良い場所で生かす事が出来ないのかと思いますが、様々な事情があるのでしょう。
ただ、デザイナーが知恵や経験を結集させて創造したデザインを借用して利益を得ることは許される事ではありません。

当社は絵画・美術品を専門に買取を行っており、日々ホンモノかニセモノかを判断しています。テレビや漫画のような派手な世界ではありませんが、日常的に真贋判断している立場からホンモノとニセモノに関わる事を紹介させていただきます。

美術品のニセモノはブランド品より少し複雑

ブランド品のニセモノが市場に出回る理由は一緒ですが、美術作品によっては作り出された意図が異なるものもあります。
美術品の世界には「模写」という概念が存在します。模写とは本物の作品を模倣することですが、ニセモノとは目的が大きく異なります。模写は若手作家や美術学生が偉大な芸術家の技や技術を吸収するためにある修業過程のひとつです。
人を騙すぐらいの熱量は必要かもしれませんが、根本的な目的は「上手くなりたい」という気持ちです。

ただ、あまりにも精巧な模写が悪意ある人物に渡った際は、人を騙すために使われてしまいます。
江戸時代の話ですが、狩野派という幕府御用達の絵師集団がいました。美術の教科書で出てくる狩野探幽や狩野永徳などは知っている人が多いのではないでしょうか。
狩野派には粉本(ふんぽん)という学習法があり、簡単にいうと先人の作品を模写して技術を学ぶことです。描き手の技量にもよりますが熟練度の高い修業生なら本物に近いクオリティで再現できると言われています。
狩野派の掛軸は贋作が非常に多く、ひとつの理由が粉本によって作られた作品に悪意を持った人物が落款を入れて売却したためと言われています。その為、現在残っている狩野派の作品は真作として扱うには難しいものが多くなっています。
作られた作品には罪はありませんが、作品を使った人に罪がある一例です。


ニセモノが出来上がるきっかけのすべては悪ではない


模写の概念を理解していただいた通り、ニセモノが出てくるきっかけはすべて悪ではありません。包丁のように、それを使う人によっていくらでも変わってしまいます。

美術の世界だけではなく、人の作品を模倣すること文化や科学技術の世界でも技術向上のために当然の事でした。名前も無い大勢の誰かと一部の偉人が開発した技術の積み重ねが今の世界を作り、今を生きる人々が過去も技術を模倣して進化させたモノを学問として残すことにより、後世の更なる発展を期待できます。
そもそも模倣される対象が良いモノではないとニセモノは生まれません。

ただ、商売の世界では模倣品の多くは「悪」となります。


商売ではニセモノは価値無し!


商売とはモノやサービスを提供し、その対価に金銭などを得ることを言います。
美術品に関しては需要と供給の市場原理を中心に流通価格が決定しますが、ニセモノは需要に答える価値をホンモノから借用しているだけなので、市場経済では招かれざる客です。

ニセモノが混入したマーケットでは安全に買い物ができないです。すべての美術コレクターが高い審美眼を持ち合わせているわけではなく、誰もが最初は初心者です。せっかく美術品に興味を持ってくれたのにニセモノを掴まされてしまったら今後見向きもしてくれないでしょう。マーケットに出回るニセモノの流通を阻止しないと、そのような業界はいずれ衰退する運命になるので、安全にコレクションができるプラットフォームづくりは重要な課題だと感じています。

その健全なマーケットづくりの一環として作られたのが「所定鑑定機関」です。

所定鑑定機関とは?

所定鑑定機関とは健全なマーケットを維持するために導入された制度です。基本的に所定鑑定機関で取得した鑑定書があれば、すべての場所で真作として流通できます。

大原則として鑑定は物故と呼ばれる既に亡くなった作家が対象です。存命の作家でしたら本人に確認すれば真贋は解決するという考えからです。

また、市場価値がある作家に限定されます。
今まで述べてきたようにニセモノが作られるのは、良い作品だからです。市場経済でいう良い作品とは流通価格が高い作品なので、制作の手間とリスクを鑑みても経済的な利益が得られる作品しかニセモノは作られません。

このような事から市場価値がある作家ではないと所定鑑定機関は設立されません。インターネットで「作家名+鑑定機関」で調べればすぐに出てきますので、気になれば調べてみてください。

お持ちの作品で所定鑑定機関が設けられている作品は、売却の有無は別として鑑定書だけ取っておく、いざという時にやり取りがスムーズになりますのでおススメです。


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