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2020年08月15日 [絵画 買取]

絵画の鑑定について|日本と海外に違いはあるの?

鑑定

はじめに

デパートや画廊で、既に亡くなっており市場価値が高い作家の作品を販売する場合、【鑑定書】の存在が非常に重要です。鑑定書とは、「公式な鑑定機関がその作品を本物と認めた証明書」であり、安心して作品を購入するために大切なモノです。国内の大手百貨店では鑑定書が無いと販売を禁止しているところもある程です。

残念ながらブランド品同様に多くの贋作が存在する絵画・美術品の世界で、【鑑定書】は大変重要な付属品です。
私達 美術品買取専門業者ではお客様から美術品買取の依頼を受けた際、必要に応じて鑑定書の取得を行います。過去の経験の中で鑑定機関が国内にあるか海外にあるかによって、鑑定を依頼する際にちょっとした違いがありました。このブログでは国内外の鑑定に関する違いをご紹介いたします。

窓口

大きな違いは[鑑定の窓口]

鑑定方法は国内外という区別でなく、作家毎に大きく方針が異なります。具体例をご紹介できればよいのですが、鑑定方法はトップシークレットのため表には決して出てきません。
鑑定依頼をした際、鑑定側からの返事は基本的に『鑑定書が発行できるかどうか(=本物かどうか)』のみです。

そのため鑑定方法の違いは具体的にご説明できませんが、日本と海外では[鑑定の窓口]にまず違いがあります。

海外に鑑定機関がある作家の場合【1鑑定機関・1作家】であるのに対し、日本国内に鑑定機関がある作家は【1鑑定機関・複数の作家】で担当されている事が多いです。
具体的に見ていきましょう。

日本風景

日本の鑑定

鑑定書・鑑定機関の役割は、日本も海外も変わりません。鑑定書が発行されると、その作品は本物として扱われます。言い換えれば、その鑑定書があれば商品として問題なく売買できます。

作家の鑑定人は、作家の遺族や関係が深い画廊が行うことが一般的でした。
しかしながら遺族の高齢化や管理の煩雑さから鑑定業務が滞ることもしばしばあり、その業務を一括して『東京美術俱楽部』、『日本洋画商協同組合』という機関が請け負うようになりました。このような背景から、先述の【1鑑定機関・複数の作家】の形が出来上がりました。

すべての作家ではありませんが、近代洋画・近代日本画の主要作家の多くは上記どちらかが鑑定の窓口をしている状況です。
鑑定に出す立場としては窓口が絞られる事で鑑定に出す手続きが体系化され、非常にお願いしやすくなった印象です。

パリ風景

海外の鑑定

日本国内である程度流通がある作家(ヴラマンク、カシニョール、ビュッフェ、カトラン、ブラジリエ、アイズピリ、ユトリロなど)しか鑑定に出したことがないため、限られた例の中での話になってしまいますが、鑑定の窓口は基本的に作家ごとです。
※一部日本のように複数作家を取り扱う鑑定機関(鑑定機関『ウィルデンスタイン』が管理するヴラマンクやルノアール等)もありますが、日本と比べると圧倒的に少ないです

また、鑑定機関も日本国内のようにきちんと整備されておらず、1作家に対して複数の鑑定機関がある場合もあります。その場合は複数ある中でも、最も影響力や証明力がある機関に依頼をしています。

稀なケースですが、作家によっては贋作と認められた作品は返却されない事もあり、非常にシビアな対応で「これ以上偽物を世に出さない」という強い意志を感じます。
日本の鑑定機関では贋作であった場合も作品が返却されないという事例は聞いたことがありません。

鑑定書取得までにかかる時間

日本の主要鑑定機関(『東京美術俱楽部』、『日本洋画商協同組合』)は、月に1度鑑定日を定めています。鑑定依頼の混雑具合などによりますが、タイミングが良ければ数日で鑑定結果がわかることもあります。(作品によっては更に1月ほど必要となる場合もありますが、基本的には依頼後1回目の鑑定で判断されます。)もちろん鑑定人によって異なりますが、海外の作家と比べると回答は早いです。

一方、海外の鑑定機関の場合は資料(レゾネ掲載の有無、どこで購入したか等)があるとやや早めに回答を得られる傾向にありますが、情報が何もないと時間がかかる事が多い印象です。
過去依頼した事例では、鑑定に必要な資料は【作品の画像】と【作品の資料】のみであり作品を送付する必要はありませんでしたが、それだけで判断できない場合は作品自体を送るよう指示されることもあります。絶対に曖昧な判断はしない!という強い気持ちが感じられます。
また、バカンスのタイミングに鑑定依頼をすると、その期間は鑑定自体が休みのため更に1〜2カ月ほど延びてしまいます。バカンスを大切にする海外だからこそのことで、日本では考えられないケースです。

鑑定を取り巻く状況(番外編)

昔から鑑定書というモノは存在していました。しかしながら時間の経過や美術業界を取り巻く環境の変化により、古い鑑定書には効力が無くなってしまっているケースがあります。真贋の根拠が薄いというのが一番の理由ではないでしょうか。

鑑定書が発行されると、その作品が公的な信憑性を得ることになります。万が一誤った作品に鑑定書を発行してしまうと、マーケットのバランスが崩れ、市場価値の低下につながるかもしれません。

過去には亡くなった作家の遺族が目先のお金目的に贋作に鑑定書を発行し、問題になった事があります。

このように鑑定書の発行は非常に責任が重いことであり、市場価値が高い作家の鑑定ほど、慎重にならざるを得ない状況です。※鑑定についてはコチラにまとめています。是非ご覧ください。

まとめ

美術業界において鑑定書が果たす役割の大きさと、日本と海外の違いを理解していただいたのではないでしょうか。

市場価値が高く、既に亡くなって年月が経った作家を購入する際は鑑定書の有無を確認する事がベターです。また、売却をご検討の際は鑑定が必要な作家かどうか確認してみてはいかがでしょうか。10年以上前に購入した作品は鑑定が付いていない事も多いです。
鑑定書が無いと売却するまでに何かと時間がかかります。

鑑定の事も含めて売却に関する悩みがあれば、是非当社「東京の美術品買取専門店 獏」へお気軽にご相談ください。

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