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【税理士監修】骨董品・美術品は減価償却できる?経費処理の考え方を解説

会社の応接室やロビー、店舗などに絵画や骨董品、美術品を飾る企業は少なくありません。

その際、「骨董品は経費として計上できるのか」「美術品は減価償却の対象になるのか 」「100万円を超える作品はどう扱われるのか」と疑問に思う経営者や経理担当者も多いのではないでしょうか。

骨董品・美術品の税務上の取扱いは、取得金額だけで決まるものではありません。作品の性質や利用目的によって判断される場合もあります。

この記事では、骨董品・美術品の減価償却について、一般的な考え方や耐用年数、勘定科目などをわかりやすく解説します。

※本記事は一般的な税務上の考え方をご紹介するものです。実際の会計処理や税務判断は個別の事情によって異なるため、税理士などの専門家へご相談ください。

畑中孝介
監修者

ビジネス・ブレイン税理士事務所 税理士

畑中孝介

大手・上場企業の税務コンサルティングをはじめ、企業グループ税務や組織再編税務を専門としながら、講演・執筆活動にも多数携わっています。

小林大祥
監修者

株式会社獏 代表取締役

小林大祥

長年の美術品・骨董品の査定・買取を通じて培った知識と経験をもとに、作品の価値や売却時のポイントなどを分かりやすく解説しています。

減価償却とは?

減価償却の基本的な考え方

減価償却とは、建物や機械、車両など、長期間使用する固定資産の購入費用を、一度に経費として計上するのではなく、使用する期間にわたって少しずつ費用化していく会計処理です。

例えば、300万円の設備を10年間使用する場合、購入した年に300万円をすべて経費にするのではなく、耐用年数に応じて毎年一定額を費用として計上するのが一般的です。

このように、時間の経過とともに価値が減少すると考えられる資産は、減価償却資産として取り扱われます。

骨董品・美術品は判断が難しい理由

一般的な設備や備品とは異なり、骨董品や美術品は時間の経過によって価値が下がるとは限りません。

むしろ、有名作家の作品や希少価値の高い骨董品は、市場価格が上昇することもあります。

そのため、「時間とともに価値が減少する資産」と考えられるかどうかが、減価償却の対象になるかを判断する重要なポイントになります。

骨董品・美術品は減価償却の対象になる?

骨董品や美術品は、すべてが減価償却できるわけではありません。

一般的には、取得価額が1点100万円未満かどうかが一つの目安となりますが、それだけで判断できるものではなく、作品の用途や時間の経過による価値の変化なども考慮されます。

平成27年(2015年)の税制改正以降に取得した美術品については、国税庁が公表している考え方に基づいて判断されます。

一般的な判断基準

取得価額 一般的な取扱い
1点100万円未満 減価償却資産となる場合が多い
1点100万円以上 非減価償却資産となる場合が多い

ただし、これはあくまで一般的な目安です。実際には作品ごとの性質によって判断されます。

100万円未満でも減価償却できないケース

1点100万円未満であっても、時間の経過によって価値が減少しないことが明らかな作品は、非減価償却資産として扱われる場合があります。

例えば、次のようなものです。

  • 古美術品
  • 古文書
  • 出土品
  • 歴史的・文化的価値が高い作品
  • 希少価値が極めて高い骨董品

これらは年月が経過しても価値が下がりにくいと考えられるため、一般的な固定資産とは異なる取扱いになる場合があります。

100万円以上でも減価償却できるケース

一方で、100万円以上の美術品でも減価償却の対象となる場合があります。

例えば、

  • 会館
  • ホテル
  • 葬祭場
  • 商業施設
  • オフィスロビー

など、不特定多数の人が利用する施設に装飾用として設置され、移設が困難で他用途への転用が難しい作品などは、時間の経過により価値が減少すると判断されるケースがあります。

このような場合は、減価償却資産として扱われる可能性があります。

骨董品・美術品は経費として計上できる?

購入した年に全額経費になるとは限らない

会社で骨董品や美術品を購入した場合でも、購入代金をその年にすべて経費として処理できるとは限りません。

減価償却資産に該当する場合は、耐用年数に応じて複数年に分けて費用化することになります。

一方、減価償却の対象とならない資産については、固定資産として計上し、売却や除却などが行われるまで帳簿上で保有することが一般的です。

つまり、美術品や骨董品は「購入したらすぐ全額経費になる」とは限らず、税務上の区分によって処理方法が異なります

勘定科目はケースによって異なる

骨董品や美術品をどの勘定科目で計上するかは、購入目的や会社の会計方針によって異なります。

例えば、

  • 工具器具備品
  • 美術品
  • 建物附属設備
  • 固定資産

などとして管理されることがあります。

また、10万円以下のものは、少額なため一括で費用化が認められており、中小企業などでは40万円以下のものでも一括で費用化可能な場合もあるなど法人の規模や会計処理の方法によっても取扱いが変わる場合がありますので、実際の処理については税理士へ確認することをおすすめします。

骨董品・美術品の耐用年数

減価償却資産として扱われる美術品は、耐用年数に応じて償却を行います。

耐用年数とは、その資産を使用できると考えられる期間のことです。

室内装飾品として使用される美術品の場合、一般的には次のような耐用年数が用いられます。

種類 耐用年数
主として金属製の美術品 15年
絵画・陶磁器・彫刻などその他の美術品 8年

例えば、金属製のオブジェと油絵では耐用年数が異なる場合があります。

実際には作品の材質や用途によって判断されるため、詳細は耐用年数表や専門家へ確認すると安心です。

減価償却は定額法・定率法のどちら?

減価償却の計算方法には、主に「定額法」と「定率法」があります。

定額法

毎年同じ金額を経費として計上する方法です。
費用が毎年一定になるため、計画的な資産管理がしやすいという特徴があります。

定率法

取得した当初に多く償却し、年数が経つにつれて償却額が少なくなる方法です。
資産を取得した初年度ほど経費計上額が大きくなります。

なお、どちらの方法が適用されるかは資産の種類や法人の状況などによって異なります。実際の会計処理については税理士などの専門家へ確認してください。

骨董品・美術品の勘定科目

法人が事業用として購入した骨董品や美術品は、一般的には有形固定資産(工具・器具・備品など)として処理されるケースが多くあります。

有形固定資産とは、形のある資産のことです。

代表例は次のとおりです。

  • 土地
  • 建物
  • 車両
  • 機械設備
  • 工具・器具・備品

一方で、作品の利用目的や会社の会計方針によって処理方法が異なる場合もあります。

勘定科目についても個別判断となるため、会計処理を行う際は税理士へ相談すると安心です。

骨董品・美術品を売却した場合の会計処理

会社が保有している骨董品や美術品を売却した場合は、売却価格と帳簿価額との差額によって利益または損失が発生します。

減価償却資産であれば、これまで計上した減価償却費を反映した帳簿価額をもとに計算します。

一方、減価償却を行っていない資産では、取得価額などを基準として損益を算定することが一般的です。

なお、美術品の売却価格は市場相場や作品の保存状態、作家の人気などによって大きく変動するため、適正な査定を受けることが重要です。

経理担当者が迷いやすいポイント

  • 応接室に飾る絵画は減価償却できますか?
    応接室に飾っているという理由だけでは判断できません。
    取得価格や作品の性質、希少価値などを踏まえて判断されることが一般的です。
  • 社長個人のコレクションを会社名義にできますか?
    会社の事業との関連性や取得方法などによって税務上の取り扱いが異なる場合があります。
    またその時の時価で社長個人から会社に売却することになりますので、安易に名義を変更するのではなく、税理士へ相談することをおすすめします。
  • オークションで購入した作品も同じですか?
    購入先ではなく、作品そのものの性質や取得価格などによって判断されることが一般的です。
    オークションで取得した作品であっても、減価償却資産となる場合とならない場合があります。

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判断に迷ったら税理士などの専門家へ相談しましょう

骨董品や美術品は、一般的な備品とは異なり、税務上の取り扱いが複雑になることがあります。

作品の価値や取得価格、利用目的などによって判断が分かれるケースも少なくありません。

誤った会計処理は税務調査などで指摘を受ける可能性もあるため、不明な点がある場合は税理士や公認会計士などの専門家へ相談することをおすすめします。

減価償却の判断には作品の価値確認も重要

骨董品や美術品の税務上の判断では、作品の価値を把握しておくことも大切です。

例えば、一見すると同じような掛軸や陶磁器でも、数万円程度の作品と数百万円以上で取引される作品とでは評価が大きく異なることがあります。

また、作者や保存状態、付属品の有無によっても価値は変わります。

現在の市場価値を把握しておくことで、資産管理や売却を検討する際の参考資料にもなります。

骨董品・美術品の査定は美術品買取専門店「獏」へ

法人が所有する骨董品や美術品を売却する際は、適正な査定を受けることが大切です。

特に、骨董品や美術品は市場相場が変動しやすく、作家や保存状態、付属品の有無などによって査定額が大きく異なることがあります。

当店では、日本画・洋画・掛け軸・陶磁器・茶道具・彫刻・中国美術など、幅広い美術品・骨董品の査定に対応しております。

法人で所有している応接室の絵画やオフィス・店舗の整理、事業承継や相続に伴う売却のご相談も承っております。専門スタッフが作品の作者や保存状態、市場での需要などを総合的に確認し、現在の価値をご案内いたします。

美術品買取専門店「獏」の時価評価サービス

美術品買取専門店「獏」では、骨董品や美術品の時価評価(見積書作成)にも対応しています。

法人が所有する美術品の資産管理や相続・事業承継に伴う評価、売却を検討する際など、現在の市場価値を把握したいというご相談を数多くいただいています。

美術品は作者や保存状態、市場での需要などによって価値が大きく変動するため、適正な時価評価を行うには専門的な知識が欠かせません。当店では、これまで培ってきた豊富な査定実績をもとに、一点一点丁寧に評価いたします。

また、お客様のご都合に合わせて、複数の査定方法をご用意しています。

  • 電話査定
  • メール査定
  • LINE査定
  • 出張査定・出張買取

時価評価だけでなく、その後の売却までワンストップで対応できるため、「まずは現在の価値を知りたい」「評価後に売却するか検討したい」という方も、お気軽にご相談ください。

※時価評価は市場価値を把握するための参考資料です。減価償却の可否や会計・税務上の取扱いについては、税理士などの専門家へご相談ください。


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